『フレー フレー ヨシノブ』というスポーツ報知の企画で、高橋由伸監督の大学の後輩だからという理由で取材を受けた過去を持つ、ロンドン五輪800m日本代表、自称“ジャイアンツファン最速の男”横田真人です。シーズンが始まり、早くも代打(代走?)を出してきたプロ野球死亡遊戯監督の期待に応えるべく、文春野球というレースに参戦します。

2012年、ロンドン五輪男子800mに出場した横田真人氏 ©JMPA

「投手の走り込み」に意味はあるのか?

 私も陸上競技を始めるまでは、野球少年でした。チームの副キャプテンで8番センター、監督が出すサインの半分はバント。バッティングセンターでもバント。バントの練習をしすぎて、気づけばパワプロでもクリーンアップ以外は送りバント。これはまずい! つまらん人間になる! そう思い始めた矢先に、陸上部からの半強制的な猛アプローチを受けたこともあり、中学野球引退とともに陸上に転向しました。

 陸上を始めてからトレーニングについて自分で調べるようになると、野球部時代にやっていたトレーニングにも疑問を持つようになりました。その1つがジョギング(ロードワーク)。

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“ピッチャーは走り込んでスタミナをつけろ”。これは野球界の定説の1つですが、私は無意味だと思っています。どう考えても野球に必要な足腰をジョギングで鍛えることは不可能です。野球のピッチャーに求められるスタミナは瞬発的な動きの反復運動であって、長時間の持続的な運動ではない。それよりもウェイトや高強度のインターバルトレーニングをやったほうが効率的に鍛えられます。自分が否定するロードワークの恩恵を受けて足が早くなったのは皮肉なことですが……。