来季は東京ドーム開場30周年

 さらば2017年、こんにちは僕らの2018年。

 ついにあと2週間ほどで平成30年に突入する。ということは同時に巨人の本拠地球場である東京ドーム開場30周年だ。バブルど真ん中の昭和63年、1988年3月18日に開場した東京ドームは昭和、平成、そして新元号と3つの時代を生き抜いた球場になるだろう。昔は白くピカピカしていた屋根も、気が付けば埃まみれで黄ばんでいる。汚れちまった悲しみに今日も小雪の降りかかるトーキョーシティ。確かに青空や星空の下での野球観戦は気持ちがいい。だが雨に悩まされたセ・リーグCSを見ても、日本の気候事情を考えると全天候型多目的スタジアムも馬鹿にはできない。毎年正月恒例、新日本プロレスのイッテンヨン興行も屋根がなければ寒さで凍えちまうよ。そりゃあ開閉式屋根の天然芝新球場ができたら文句なし。けど大人の事情もある。夢を売るプロ野球だって理想だけじゃ飯は食えない。でも東京ドームもそろそろ限界。いったいどうすんだよこの先……なんつって煮え切らない平成晩年の本拠地事情。

 まるで今の巨人のチーム状況と似ている。今季は11年ぶりのBクラスに終わり、当たり前に続いていたCS連続出場も途絶えた。多くの中堅ベテラン選手がユニフォームを脱ぎ、12年の移籍以来ずっと主力として働いてくれた村田修一までチームを去った。さらに沢村賞投手・菅野智之と並ぶ先発の柱マイコラスもカージナルスと2年総額1550万ドル(約17億5000万円)の大型契約でメジャー復帰。さすがに編成も中日からセ本塁打王のゲレーロ、西武からFAで先発右腕の野上亮磨を補強したが、いまだ全盛期を過ぎた功労者のベテラン選手も多く、チームの世代交代とまではいっていないのが現状だ。

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巨人が獲得を発表したセ本塁打王の前中日・ゲレーロ ©共同通信社

どうする? 阿部慎之助の起用法

 来シーズンの由伸監督はともに原巨人時代を支えたベテラン陣、内海哲也、杉内俊哉、山口鉄也、長野久義、そして通算2000安打を達成した阿部慎之助らをどう起用していくのだろうか? なんだかここ数年ずっと同じテーマがループしているような気もするが、誤解を恐れず書けば、来年3月で39歳になる阿部が1塁レギュラーで4番を打ち続けている限り巨人に未来はないだろう。同時にだからと言って左の長距離砲の代役はどこにも見当たらないリアル(ドラフトでは清宮幸太郎や村上宗隆といった左の高校生スラッガーを1位指名するも立て続けに抽選で外してしまった……)。2018年、由伸巨人の最大の課題はいかに阿部を下位打線で起用できるようなオーダーを組むか。もしくは背番号10が代打の切り札としてベンチにスタンバイというチーム編成を可能にしたい。

 もちろんチーム最年長選手となった阿部自身も今の状況には相当な危機感を抱いているようで、オフ恒例のトークショーでは「俺がずっと4番を打ってるようじゃ巨人は強くならない。代打に回すくらいじゃないと駄目」(12月8日付スポーツ報知)という主旨の発言もしている。昨年の春季キャンプ中に死亡遊戯本収録用のインタビューをした際に「若い選手との接し方で叱り方とか気をつけていることはありますか?」と質問したら、「一切ないですね。そこまで気遣っていたら疲れるでしょ」なんて豪快に笑い飛ばしていた男が、最近は若手選手を伸ばそうと時に後輩を褒める発言も増えてきた。なんとか次世代の台頭を……。球団は村田さんの背番号25を21歳の岡本和真に継承させたが、冷静に見たらプロ3年間でわずか1本塁打の若手に救世主的な役割を背負わせるのは酷だろう。