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ユニホーム売上げはメジャー全体で1位

 たしかに24年は「DH」だけの出場に限定される。しかし25年以降、再び「二刀流」として復活できれば、大谷の商品価値が下がることはないだろう。なぜなら大谷の場合、投打の戦力としてだけでなく、選手としての付加価値がズバ抜けて高いことが明らかになったからだ。

 23年はレプリカユニホームの売上げがメジャー全体1位を記録しただけでなく、広告収入、観客動員などビジネス面でのプラスが他の選手とは比較にならないほどアップした。その結果、打者としてはアーロン・ジャッジ(ヤンキース)らメジャーを代表するスラッガーと同格であり、投手としてもジャスティン・バーランダー(アストロズ)らサイ・ヤング賞クラスの剛腕と同等と評価され、「エースと4番」の2人分に相当する高額の計算式が妥当と目されるようになった。

 雑誌『ザ・ニューヨーカー』も「マイク・トラウトから三振を奪ってWBC優勝を決めるなど今季もっとも記憶に残る瞬間の多くは大谷」だが、同時に「大谷は投手として先発した敵地で平均約4000人の観客増を記録した」と指摘する。

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 現代野球では不可能とされてきた「二刀流」を、もっとも高いレベルで実現させた大谷が次に見据えるものとは何か。いかなる決断を下したとしても“唯一無二”の大谷が、24年以降も特別な存在であることに変わりはない。

◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2024年の論点100』に掲載されています。