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「私たちの情炎は火と燃えさかりました」笠置シヅ子が9歳下の吉本興業御曹司と生涯一度の恋に落ちるまで

source : 提携メディア

genre : エンタメ, 昭和史, 芸能, テレビ・ラジオ

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「私たちが具體的(具体的)に相愛の仲になつたのは、名古屋で知り合つてから一年半後の昭和十九年の暮でした。サイパンが落ちて、今にも本土の上空に大編隊が飛萊するかとの恐怖の中で、それまで撓(たわ)めに撓められていた私たちの情炎は火と燃えさかりました。」

姉弟の関係を越えてしまったときのことが自伝に綴(つづ)られている。お互い我慢をかさねてきただけに、そこから先は関係が深まるのは早い。幸いだったのは、戦局の悪化である。米軍機の空襲に怯(おび)える世間には、もはや人気歌手と御曹司のスキャンダルに関心を示すような余裕はなかった。

青山 誠(あおやま・まこと)
作家
大阪芸術大学卒業。近・現代史を中心に歴史エッセイやルポルタージュを手がける。著書に『ウソみたいだけど本当にあった歴史雑学』(彩図社)、『牧野富太郎~雑草という草はない~日本植物学の父』(角川文庫)などがある。
「私たちの情炎は火と燃えさかりました」笠置シヅ子が9歳下の吉本興業御曹司と生涯一度の恋に落ちるまで

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