女性共和党議員は言った「女性は男性よりも器が小さい」
彼らは極端な例だが、性差別が共和党支持者に浸透していることを示唆するデータもある。2022年12月にUSA Todayが公表した調査によれば、共和党支持者の50%が理想の大統領は女性より男性だと答え、女性だと答えたのは2%だった。こうした支持者にアピールしようと、一部の女性共和党議員は、男性以上に女性蔑視的な言動を繰り返している。下院議員のローレン・ボーバートは、「女性は男性よりも器が小さく、その弱さとバランスさせるための男性性を必要としている」との発言で物議を醸した。
発言の真意は知る由もないが、性差別が浸透する今の共和党における女性議員の「生存戦略」という面もあるのだろう。
民主党はどうだろうか。先に紹介したUSA Todayの世論調査によれば、民主党支持者のうち女性大統領が理想だと回答する人は24%で、男性を理想とする人の11%に2倍以上の差をつけている。しかし、民主党でも女性大統領への機運は高まっていない。
初の黒人女性副大統領へ向けられた、あからさまな性差別や人種差別
2020年大統領選の結果、黒人、アジア系、そして女性として初の副大統領となり、将来的には最も有力な女性大統領候補になるとまでいわれたカマラ・ハリスの人気は、危機的なレベルにまで低下している。6月のNBCニュースの調査でハリスに否定的な見解を抱いていると回答した人は49%にのぼり、肯定的な見解を抱いていると回答した32%を凌駕した。さらにハリスは、「多様性」を大事な価値とみなす若者層にも人気がない。
7月に行われたエコノミストとユーガブの世論調査で、18歳から29歳の有権者で、ハリスに好意的な見解を持つと回答したのは41%にとどまり、否定的な見解を抱いていると回答した人は46%に及んだ。
ハリスの不人気の理由はどこにあるのか。確かに性差別や人種差別の影響を見てとらないことは難しい。バイデンとともに共和党メディアから激しいバッシングを受けてきたハリスだが、彼女への批判には、あからさまな性差別や人種差別がにじんできた。