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「政治の話って言うけど、結局は自分の生活や人生の話」反発を受けた小泉今日子さん(57)がそれでも発信を続ける理由〈森友公文書改ざん〉

『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』刊行記念インタビュー#2

2023/12/13
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 アイドルとしてデビューし41年。“KYON2(キョンキョン)”の愛称で知られ、俳優として歌手として活躍中の小泉今日子さん(57)。その小泉さんが、最近発売された「森友学園への国有地巨額値引き」という現実の事件を舞台にしたコミックス『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』(小学館)に推薦の言葉を寄せた。

 小泉さんは、主人公のモデル・赤木雅子さん(52)と、この事件をきっかけに知り合いになった。なぜ雅子さんを応援するのか? 推薦文に込めた思いとは? 現実の近畿財務局職員、赤木俊夫さんが遺した告発の「手記」を『週刊文春』でスクープしたフリー記者の相澤冬樹が話を聞いた。

小泉今日子さん

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推薦文に込めた想い

――実際に会ってみた雅子さんの印象はいかがでしたか?

小泉 すごくユーモアがあって、楽しい会話をたくさんしてくださったけど、でもやっぱり、そこにいくまでの孤独な思いだとか悔しさだとか悲しみって、もう私なんかが想像できるものじゃないんだろうなと。

 でもこうして私に明るく接してくれるという強さ。ウィットに富んだ話を聞いていると、そういう時間が俊夫さんと雅子さんの間にずっと流れていたんだろうな。そんなことを想像しながらお喋りしていました。

――そういうご縁があってコミックスに推薦の言葉を寄せてくださったわけですが、これはどういう思いで書かれたんでしょうか?

小泉 この事件も誰かにとっては過ぎていってしまう出来事かもしれないけど、当事者のそれぞれにそれぞれの人生、時間っていうのが確実にあって、それを軽々しく扱ってほしくない。そう軽いものだと思ってほしくないというのが、この漫画を読んだ感想でした。それぞれに本当にドラマがあって、人生があるという気がしたので、このように書きました。

 

 雅子さん自身がおっしゃっていること、訴えていることは、みんなが思っている以上に大きなテーマだと思うんです。最愛の人を亡くしてしまって、その原因がうやむやなまま、すべてのことが進んでいると私には見えます。夫を亡くした悲しい人というだけではなくて、そんな思いをほかの人には味わってほしくないとか、大きなテーマを持っている気がします。