その1:主観を捨てることから始める

 その2:伝えたいこと=テーマを決める

 その3:起承転結を…

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 ジブリの鈴木敏夫さんに教えてもらった「人に伝わる文章」を書くための4つの合意とは? 鈴木さんの下で、仕事のいろはから人生の生き方までを学んだアニメーション映画プロデューサーの石井朋彦さんの新刊『新装版 自分を捨てる仕事術』(WAVE出版)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

なぜすぐにパソコンに向かってはいけないのか? ©getty

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その1:主観を捨てることから始める

 鈴木さんに教わった仕事術のなかで、もっとも重要なもののひとつに、文章術があります。映画づくりの現場では、企画書・脚本・制作状況報告・宣伝等、膨大な数の文章が生み出されます。どの文章も、「だれかに何かを伝える」文章であることは共通しています。伝えるだけでなく、「人の心を動かす」文章でないと、仕事においては意味がありません。

 何度も繰り返し言われたことが、書きためた「鈴木敏夫語録」に整理されています。

・文章はとにかく具体的に。客観的情景描写につとめること

 

・情景描写が臨場感のあるものであるほど、読み手はその先や背景を想像し、勝手に理解をしてくれる

 

・主観や自分の意見は、極力直接書かないようにする

 

・当たり前のまとめをせず、その文章に「固有」な観察と情景描写を心がける。どうしてもまとめなければならないときは、そのまとめも「固有」のものにしなければならない

 

・いちばんやってはいけないことは、ステロタイプにまとめること

 鈴木さんは『天空の城ラピュタ』を例にとって説明してくれました。