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危険! 網膜剥離を起こす“眼トレ”

 3つめの「してはいけないこと」、それは、「無理に目を動かすこと」です。

 困ったことに、近年は「眼トレ」と称して、根拠のない健康法をまことしやかに言う方がいるようです。目の老化を防いだり、視力を上げるためなどと称して、目を激しく動かす運動を勧めていますが、これは老化防止や視力の向上に効果がないばかりか、目を傷つける危険もあります。

 目を激しく動かすと、目の中の硝子体線維が揺れ、網膜を支えるように張る硝子体の枝が網膜を引っ張るようにして破き、網膜剥離を引き起こす危険性があるのです。

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 わざわざ自分から網膜剥離を引き起こす運動など、絶対にしないでください。

目は光にさらしてはいけません

 目は外傷に弱いだけではありません。光にも弱いのです。

 従来は、光というと、夏の太陽光線を防ぐサングラスだけで目の障害を防ぐことができました。ところが、近年は紫外線だけでなく、多くのLED(Light Emitting Diode 発光ダイオード)光源による網膜障害や白内障が問題となりつつあります。LED光は短い波長の可視光線です。

 車のライトもLED化していて、運転していると以前のハロゲンライト時代より、光が痛いくらいまぶしいと思いませんか? これは、目が危険を察知し、まぶしいとか痛いというサインで、光の害について警告を発していると言えます。

 そしてもちろん、近年はスマートフォンによる光にさらされている現実があります。小さなお子さんにさえ、かなりの幼少期から、このLED光を発するスマートフォンやタブレットを長時間見させる方がいますが、子どもはスマホから遠ざけましょう。スマホの害から子どもをまもるのは親の務めだと思います。

写真はイメージ ©️AFLO

 光は波をもった電磁波ですが、この電磁波は波長が短いほど、細胞に当たったときに、電子を放出させるエネルギー力が強い、つまり細胞を傷つけるのです。

 そのため、LED光が主体の時代は、光による細胞障害が非常に増えてしまいます。

 印象としては「20年ほど、毎日数時間もスマホを見る生活を続ける」と、若くても白内障や網膜黄斑部の光細胞障害を起こすと感じます。現代では多くの人がそのような生活をしていますね。つまり、多くの人に危険が迫っています。