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サングラスなら、「黒」より「黄色」を選ぶ

 おしゃれのためでも、隠密行動のためでもなく、紫外線から目をまもるためにかけるのがサングラスです。

 紫外線から目をまもるために、普段からもっとサングラスを活用しましょう。とはいえ、濃い色のサングラスはファッションとしては良いのですが、注意が必要です。

 雪山や海上など、とくに紫外線が強烈な場所で過ごす場合は別として、日常生活で濃い色のサングラスをかけ、視界が暗くなってしまうと、可視光線全部をカットするため、光をより取り込もうとして瞳孔が開き気味になってしまうのです。

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 すると、サングラスと顔の隙間から差し込む紫外線が、目に入りやすくなってしまいます。

 ですから、サングラスは「黒」よりも、薄い「黄色系」を選ぶのがベスト。紫外線や、青紫の光を吸収しつつ、視界が暗くなりすぎないことがポイントです。

 最近は、レンズの裏面から反射して入る紫外線からも目をまもる加工をしたレンズも発売されていますが、瞳孔が開いている状態で目の隙間から入る紫外線に比べれば、レンズの裏面の反射はごくわずかなもの。そのような加工がないレンズでも大丈夫です。紫外線全カットで薄い黄色のサングラスなら問題はありません。

 

 紫外線が人の体に及ぼす影響は「波長」によって異なります。そこで、国際的には紫外線の波長ごとの人体への影響度合いを総合的に評価して出した「UVインデックス」という指標で、その危険性を示します。

 気象庁の発表では、茨城県つくば市での観測で、観測を始めた1990年以降、「日中最大UVインデックス8以上の日」は増加していて、10年あたり11日の増加率でした。

 つまり、それだけ人の体にとって負担になる紫外線が強くなっていると言えます。

 そのような状況で、目は、紫外線のダメージを多く受けるにもかかわらず、肌よりずっと大切な目の「紫外線対策」がほぼなされないまま、目の健康はあまりまもられていません。そして、そのために目の不調や病気につながることも多くなっていると思います。

 日常生活を戸外で過ごすことが多い人は、紫外線の刺激が1つの原因である白内障、加齢黄斑変性など、いくつかの眼病にかかるリスクが高いのです。

写真はイメージ ©️AFLO

 紫外線による目へのダメージを考えると、先述のUVインデックスと「長袖シャツ、日焼け止め、帽子の利用」に、「保護メガネか適切なサングラスの利用」を加えて、習慣にしていただきたい。とくに紫外線の強い時期である5~9月は紫外線情報をチェックして、紫外線から目をまもる行動をとっていただきたいと思います。

 さらに、室内に入り込む紫外線をさえぎるカーテンやブラインド、シェードを利用するのも良いですね。普段の外出時は帽子、日傘で、海や山へ出かける際はパラソルやテントで、紫外線を浴びすぎないように気をつけて過ごしてください。

 各地のUVインデックスは毎日、気象庁のウェブサイトや気象予報会社などが発表しています。外出の際にはこちらも参考に、臨機応変に紫外線対策をしましょう。