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「保健の先生に怒られたことがトラウマになっていた。でも、訳がわからないので自分だけでは抱えきれない。誰かに話さなきゃ、相談しなきゃと思って、父親に電話をした。翌日、父親は母親がいない時間に家に来て、鈴木先生にされたことを話したんです」

教師からの強姦を相談した実父に強姦され……

 登校拒否をしていることと、その理由は図書室での強姦が原因であること。妊娠が怖くて保健室の先生に相談したら、怒りだして恫喝されたこと。それがとてつもなくショックだったことを、父親に泣きながら話した。

 鈴木教師は4月から弟の担任になり、1週間前に突然家に来て、自宅で再び強姦されたことも伝えた。父親は弟の担任に怒り、電話をすると言った。小学生なので妊娠はしないだろうけど、体調がどうなのか随時教えてほしいと言った。

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「ひどい先生だったな。でもお前も大人になったということだ。俺ともするか」 

 父親は一通りの経緯と話を聞いてから、最終的にそう言いだした。

 父親は近づいて後ろから抱きついてくる。いつものようにカラダを触られて、頬を舐めてくる。美智子さんはどうしてそうなるの? そう思いながら我慢した。父親の欲望を受け止めた。

「先生に強姦されたことを父親に話してから、父親も求めてくるようになった。本番の近親相姦です。この父親の性的虐待というか、カラダを要求するみたいなことは高校卒業まで続きました。数十回はやっていると思います。本当に気持ち悪いし、つらかったけどそんな感じになってしまいました」

写真はイメージです ©iStock.com

団地のベランダから飛び降りようとしたことも

 登校拒否になった美智子さんは、父親に日常的に強姦されるようになった。それから、さらに精神的に閉じこもった。怖くて学校に行けないだけでなく、いつ父親が来るかわからないので、自宅にいるのも怖くなった。

 この頃から統合失調症の症状がはじまっている。「死ね、死ね。もう死のう。死んじゃってもいいよ」。たまにそんな幻聴が聞こえる。実際に団地のベランダから飛び降りようとしたことも何度もあった。飛び降りるのは怖い。ベランダに出て飛び降りようとしても、躊躇して実行することはできなかった。

 結局、小学6年生の1年間は学校に行けなかった。中学校は地元の公立ではなく、自宅から離れた寄宿舎付きの特別支援学校に進学した。自宅から離れたことで、父親との関係もストップした。