1ページ目から読む
2/3ページ目
喜寿スタローンからステイサムへ
今までのレジェンド俳優特盛り路線に比べると、今回の4作目『ニューブラッド』は、その名のとおりぐっと若返った印象がある。
ボスであるスタローンは陰に回り、主役としてバリバリ活躍するのはステイサムだ。その恋人で凄腕の姉御戦士役のミーガン・フォックス、いかついラッパーでも知られる50セントが起用され、驚異的な身体能力のムエタイ戦士トニー・ジャーが、彼の代名詞ともいうべき飛び膝蹴りを敵にぶちこんでいた。
個人的にもっとも驚いたのは、シラットの達人であるイコ・ウワイスが、血も涙もない悪役として大暴れしていたところか。トンファーをメインウェポンとして、ステイサムと殴り合うシーンは本作のハイライトといえるだろう。
相変わらずモリモリの筋肉を維持していたけれど、スタローン御大もすでに77歳(!)だ。喜寿を迎えた傭兵隊長というのもなかなか厳しいものがあり、人類最強の男ステイサムにバトンが渡されるのは当然の流れかもしれない。出世作『ロッキー』が、『クリード』へと巧みに継承されていったときのように。
思い切った若返りを支持したい
『エクスペンダブルズ』はロートル扱いされたスターたちが大量に寄り集まって、「まだまだやれるわい」とばかりに、過剰な筋肉と暴力で観客を圧倒して成功を収めた。その路線は行き着くところまで行ったと思う。本作でも製作過程でいろんな大物俳優の名が上がり、悪役候補としてジャック・ニコルソン、そしてピアース・ブロスナンも参加するという噂もあった。それはそれで実現してほしかったけれど、思い切った若返りを計った点を支持したい。