12月21日夜10時頃、東京・赤坂の繁華街にあるカラオケ店の一室。忘年会のために集まったのは、15名ほどの人々。盛り上がる面々の中心でマイクを握り、絶唱していたのは、12月14日付で経済産業相に就任したばかりの齋藤健氏(64)だ。
政治資金パーティーを巡る裏金疑惑で岸田政権から安倍派の大臣が一掃される中、重要閣僚である経産相に抜擢されたのが齋藤氏だ。
齋藤氏は東京大学経済学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)官僚、埼玉県副知事などを経て政界入り。無派閥だったことが功を奏した形となった。
重責を担うことになった齋藤氏がなぜ赤坂のカラオケに? 経産省関係者が語る。
「齋藤さんはカラオケがお好き」
「この忘年会は齋藤さんの年末の恒例行事で、秘書や所属省庁の官僚などから出席者を募って内々に開かれます。齋藤さんはカラオケがお好きで、いつも一次会からカラオケ店ということが多いですね」
今年、参加したのは約15名。齋藤氏もスーツ姿のSPに付き添われ、カラオケ店に入っていった。
齋藤氏のカラオケ忘年会では“必ず歌われる曲”があるという。この日も、宴が終盤に差しかかった頃、その曲のイントロが静かに流れ出した。KANの「愛は勝つ」だ。