生理がこなかったことを除けば、不思議と体調が悪くなることはなかった。むしろアドレナリンが出てハイになっちゃって、頭の回転も速くなっていたように思う。だからと言って私が健康体だということにはならないんだろうけど、別にそれでよかった。
とにかくそういう生活を何日も続けて、体重はみるみる落ちていった。そりゃほとんど何も食べてないんだから当たり前だ。
でも、そうやって体重を落とすのも、一定のところまでくると急に限界になってくる。あるときから急に、ダイエットの成果が伸び悩む日が続くようになった。
こんなもんでは、まだ足りないんだ。
ユナちゃんに追いつくためには、もっともっと自分を追い込む必要があるんだと思った。
下剤
極端に食事を摂らないと、出るものも全く出なくなる。ある時から、私はひどい便秘に悩まされるようになった。
「これ飲めば便秘も治るし、もっと痩せられるから」
苦しむ私を見かねて、ある日ママが見たことのない錠剤を手渡してきた。下剤だ。それも、かなり強めのやつ。無理やり体内のものを排泄して、体重を減らそうという考えらしかった。
たぶんママとしては、便秘を治すことよりも、ダイエットにさらなるブーストをかけることを期待して下剤を渡してきたんだと思う。
それでよかった。体調のことも少しは心配して欲しい、なんてことは全然思わない。私も同じ気持ちだったからだ。その日から毎日、私は下剤を飲むようになった。
効果はすぐに出た。減り止まっていた体重が、また少しずつ落ちるようになっていったのだ。この調子でいけば、まだ痩せられる。もっと、もっと。気付けば1日1錠だった下剤が2錠、10錠、30錠と日を増すごとに増えていった。内臓が荒れまくって、トイレから出られないような日もあったけど、ユナちゃんに追いつくためならと思いなんとか耐えた。
ちなみに私は、そのあと何年間にもわたってこの下剤を飲み続けることになる。適度な摂取量なんてとうに超えていて、地獄の苦しみを何度も味わった。そのことについては、またあとで書こうと思う。