夏休みが終わるころには、私は誰がどう見てもガリガリに痩せていた。体重は36、7キロくらいになっていたはずで、夏休みの期間だけでおよそ10キロ落とせた計算になる。基準とされていたユナちゃんと同じ体重だ。
「ママの声が、忘れられなかった」
この当時、私はなんでそんなに頑張ることができたんだろう。今でもたまに思い出して、不思議に感じることがある。
「努力」とか「根性」みたいなのとはちょっと違う。たぶんこの時の私は、せっかく掴んだチャンスに「執着」していたのだ。
勉強もスポーツもできない、醜い私。そんな自分を変えるために、やっと掴んだチャンスだった。オーディションでグランプリを獲ったときに初めて、ちょっとだけ周りに認めてもらえた気がした。家族が喜んでくれた。こんな機会を、みすみす逃すわけにはいかないと思った。
「すごいじゃんアイちゃん! 天才だよ!」
そう言ってくれたママの声が、忘れられなかった。その嬉しさに、達成感に、私は取り憑かれていたんだ。
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