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「簡単に決められた」「W杯なら致命傷になる」“格下”ベトナムにまさかの2失点…それでも森保ジャパンが逆転勝利できたワケ《城彰二が解説》

AFCアジアカップ2023・城彰二の視点 #1

2024/01/16
note

城 実戦でどんなプレーをするのか、周囲との相性はどうなのか、やっぱり練習だけではわからない。いろいろ見るところがあると思うので、これからも起用していくと思います。アジアとの試合で、多少余裕をもって起用できるから、信頼できるバックアップを作りつつ、その中から主力を脅かす選手が出てくるのが理想ですね。

佐野は思い切ってスタメン起用してほしい

――もっと見てみたい選手はいますか。

 佐野は、ボランチとして展開力もあるし、守備の強度もある。ゴールへの意欲も高いので、思い切ってスタメンで起用してほしいなと思います。ベトナム戦は初戦だからっていうのもあると思いますが、いきなり守田(英正)と遠藤(航)ではなくて、佐野と遠藤でもよかったんじゃないかなと思いました。

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――ベトナム戦の勝利を、どう判断していますか。

 本当は良い緊張感の中で、相手を完封しての勝利がベストですけど、やはり真剣勝負の試合は簡単ではない。前半はうまくいかなかったけど、後半はほぼ相手の陣地でのゲームでした。トータルで4-2の勝利だったので、スタートとしては悪くないでしょう。80点はあげられると思います。

森保一監督の采配に注目が集まる ©JMPA

どんな状況になっても勝てる強さを

――次はイラク戦になります。過去7勝3分け3敗で、ここ最近は負けていません。

 イラクはフィジカル的に強いし、パワーもあるので、強さという部分ではベトナムと異なる戦いになると思います。でも、今の代表の力を考えると負ける気はしないですね。ベトナム戦では相手に逆転されても森保監督の表情に焦りは全然なかったですし、90分でしっかり仕留めるという余裕がありました。初戦を勝利で終えたので、イラク戦はある程度余裕を持って戦えると思います。

――日本は、これから状態が上がっていく感じでしょうか。

 国際大会では初戦で相手のスーパ―ゴールが決まるなど、何が起こるか分からない。締めるところは締めていかないと決勝トーナメントに入ってから厳しくなるでしょう。でも、試合をこなしていけばまとまりも出てくるでしょうし、実力的にも日本は抜きん出ている。もっとも、ここ(アジアカップ)で負けているようでは次のW杯でベスト8入りは難しい。どんな状況になっても勝てる強さを見せつけて優勝するしかないでしょう。

取材・文=佐藤俊

「簡単に決められた」「W杯なら致命傷になる」“格下”ベトナムにまさかの2失点…それでも森保ジャパンが逆転勝利できたワケ《城彰二が解説》

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