しっかり食べられる自分になろう
では、生涯にわたり「より好みなく、しっかり食べる」とは日々、どんなふうに食べていくことなのか?
ここで「まんべんなく」「カラフルに」「バランスよく」などと書いたら、2度も3度も読み返してもらえなくなってしまいそうなので、なるべく具体的に第2、第3章でお伝えしようと試みます。
ただし、栄養というのは「今日から新たにとる」ものではありません。現在のあなた自身を構成しているのも、これまで積み重ねた栄養ですし、現在の体の中の栄養状態はみなさんひとりひとり違います。ご家族で、この3カ月間まったく同じものを食べていたとしても、体格や体質、代謝機能、生活時間、精神状態、持病などが違いますから、同じ栄養状態の人は1人もいません。
ですから、万人に共通する「正解」が具体的になりにくいことは事実です。
そのため、病気のときなどの栄養指導というのは「個別指導」となるのです。
しかし、本で「個別指導」はできませんから、つい「まんべんなく」「バランスよく」と言いたくなりますが、そこはひとひねり、ふたひねり。具体的に食生活に活かしてもらえる知識と工夫の「目のつけどころ」をお伝えしたいと思います。
そんなこと、できるでしょうか?
きっと、みなさんの協力なくしてはできないと思います。ぜひ次の章からは本に"参加"して、一緒に「私が(家族が)『より好みなく、しっかり食べる』ための発見」をして、このチャレンジを成功させてください!
先にも述べたとおり、生涯にわたり、元気に楽しく食べ続ける、というのは、簡単なことではありません。食欲があって、食べ物を選び、食事を整える判断力や行動力、経済力があり、基本的に消化・吸収・排泄に特別な問題がない状態を維持する。
毎日「食べ続ける」ためには、「食べる」以外の暮らし方まで整える必要がある大事業になります。
これはまさにみなさんが願う、自立し、自分らしく長生きする、その根幹にあることで、だから「食べる」は生きること、そのものです。
それでは100年栄養をかなえるチャレンジをご一緒に!