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長生きする人は“お肉だけ”を食べていたのか? 100歳を超えても現役医師だった日野原重明先生の“本当の食生活”

2024/01/27
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しっかり食べられる自分になろう

 では、生涯にわたり「より好みなく、しっかり食べる」とは日々、どんなふうに食べていくことなのか?

 ここで「まんべんなく」「カラフルに」「バランスよく」などと書いたら、2度も3度も読み返してもらえなくなってしまいそうなので、なるべく具体的に第2、第3章でお伝えしようと試みます。

100年栄養

 ただし、栄養というのは「今日から新たにとる」ものではありません。現在のあなた自身を構成しているのも、これまで積み重ねた栄養ですし、現在の体の中の栄養状態はみなさんひとりひとり違います。ご家族で、この3カ月間まったく同じものを食べていたとしても、体格や体質、代謝機能、生活時間、精神状態、持病などが違いますから、同じ栄養状態の人は1人もいません。

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 ですから、万人に共通する「正解」が具体的になりにくいことは事実です。

 そのため、病気のときなどの栄養指導というのは「個別指導」となるのです。

 しかし、本で「個別指導」はできませんから、つい「まんべんなく」「バランスよく」と言いたくなりますが、そこはひとひねり、ふたひねり。具体的に食生活に活かしてもらえる知識と工夫の「目のつけどころ」をお伝えしたいと思います。

 そんなこと、できるでしょうか?

 きっと、みなさんの協力なくしてはできないと思います。ぜひ次の章からは本に"参加"して、一緒に「私が(家族が)『より好みなく、しっかり食べる』ための発見」をして、このチャレンジを成功させてください!

 先にも述べたとおり、生涯にわたり、元気に楽しく食べ続ける、というのは、簡単なことではありません。食欲があって、食べ物を選び、食事を整える判断力や行動力、経済力があり、基本的に消化・吸収・排泄に特別な問題がない状態を維持する。

 毎日「食べ続ける」ためには、「食べる」以外の暮らし方まで整える必要がある大事業になります。

 これはまさにみなさんが願う、自立し、自分らしく長生きする、その根幹にあることで、だから「食べる」は生きること、そのものです。

 それでは100年栄養をかなえるチャレンジをご一緒に!

100年栄養

川口美喜子

サンマーク出版

2024年1月24日 発売

長生きする人は“お肉だけ”を食べていたのか? 100歳を超えても現役医師だった日野原重明先生の“本当の食生活”

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