お金と手間をかけるほど、不便で乗りにくくなる改造車。それなのに、オーナーたちの表情はなぜか晴れやかだ。はたして一体、彼ら彼女らを突き動かすものは何なのか?
今回は「STANCENATION JAPAN TOKYO 2023」出展者のなかから、CR-Xに乗る「中村うゆ」さんをご紹介。
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全員がマニュアル乗りの一家に育って
昔から車が好きで、とくに「運転が上手くなりたい」という気持ちが強かったんですよね。たぶん、父の影響が大きいのかな。父はランエボに乗っていて、昔はMR2で全日本ジムカーナ選手権に出たりしていたんですよ。
母の方も車好きで、私が前に乗っていたロードスターを今の愛車にしています。それぞれ少しずつ方向性が違うので、そんなに話が合うわけじゃないんですけど、全員マニュアル乗りなので車の貸し借りは楽ですね。
このCR-Xは5年前に30万円くらいで買ったのですが、当時はかなりボロボロで。ボディがかなり錆びていて、フロアにも穴が空き、地面が見えちゃっている状態でしたね。
でも、練習用として乗り潰すつもりだったので、レストアしながら乗っていけばいいかなって。それに、この車はリアの形がかわいくて、以前から乗ってみたかったんですよ。
なにせ古い車なので、乗り出してからもしばらくは故障が多くて大変でしたね。でも、色々と直したり色を塗り替えたりしているうちに、どんどん愛着も湧いてきて。練習用のはずが、いつの間にか5年も乗っちゃってますね。
普段の足もこの車で、大学生の頃はこれで通学していました。そのときは今より全然ボロボロだったので、やっぱりちょっと、変わった目で見られていたかもしれませんね。
でも、こういうイベントに来てみると、面白い車に乗っている女性が結構いるんですよね。年齢が近いと話も合いやすいですし、お友達も増えていって、イベントに展示するだけでもかなり楽しめますよ。
ただやっぱり自分としては、ずっと運転技術を上げたい気持ちがあるので……3年ほど前に筑波サーキットのライセンスを取って、今も通って練習しているんです。やっぱり上達するにはサーキットが安全だし、一番効率的ですからね。
今年からはもっと本格的に走りたいので、外装よりは走りに関わる部分に手を加えていきたいですね。古くなっているミッションを新調してあげて、自分自身もまだまだ上達していきたいなと思います。