「ホンダへの“不正報告”について、会社として把握していた可能性がある」
実は「週刊文春電子版」の報道直後にトーヨータイヤ社内では動きがあったという。
前出の現役社員が明かす。
「会社はホンダへの虚偽報告の事実確認の調査を開始しました。真っ先に設計部の部長が本社に呼び出されています。それだけではない。他にも、品質管理を担当する部署などへの聞き取りも行われました」
だが、同社の設計部関係者はこう証言する。
「今回のホンダへの“不正報告”については、すでに会社として把握していた可能性があるのです。実は昨年、実験部の計測で〈管理基準を満たしていない〉という結果が出たにもかかわらず設計部が“問題なし”としてホンダに部品を納入してしまった直後、事情を知る社員が社内のコンプライアンス委員会に一連の経緯を通報しているのです。“告発”を受けたコンプラ委員会は不正を行った疑いのある設計部の担当者や部長だけにヒアリングを実施。表面上の調査だけやって『そのような事実はなかった』と結論付け、有耶無耶にして終わらせているんです」
トーヨータイヤは2015年にもゴム製品でデータ不正や虚偽報告など3件の不祥事が相次ぎ発覚している。
「その後、再発防止策を発表して、現在も定期的に再発防止策を『遵守している』と公表しているにもかかわらず、コンプラ委員会の対応を見る限り、自浄作用が働いていないと言わざるを得ません」(同前)
トーヨータイヤに、ホンダへの“不正報告”について現役社員がコンプライアンス委員会に通報していたのは事実か、またどのような対応をしたのかを聞くと、次のように回答した。
「通報者のプライバシーは、窓口が責任を持って保護しており、広報ではこれらの情報を持ち合わせておりません。本件について、もし通報が入っている場合は、法令に沿って適切な確認対応がなされていると認識しています」
1月21日時点でトーヨータイヤ、ホンダは正式な声明を発表していない。今後、どのような対応をするのか注目される。
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この問題については、現在配信中の「週刊文春電子版」で詳報している。
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「週刊文春」ではトーヨータイヤについての情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。
文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks
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