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 場所は自民党本部7階の会議室。国会議員の会見では「記者クラブメディア以外お断り」のケースも少なくないが、この時は事前のチェックはなく、「週刊文春」記者は前から3列目に座ることができた。会見は夜9時に始まり、「事務所主催」で、司会とマイクを渡す役割をそれぞれ西村氏の男性秘書が担った。

会見での西村氏 撮影/週刊文春編集部

 西村氏は冒頭、「私が還付や収支報告書への不記載を指示したり、了承したことはありません」などと、関与を否定する説明を行い、その後、記者との質疑応答に移った。この日は長丁場で、記者たちは疲れ果てているせいか、質問で挙がる手は鈍い。「週刊文春」記者は6人目に指名された。以下はそのやり取りの詳細だ。

小分けにパーティを開催する“調整”を認めた

――“架空パーティ”の件は特捜部の聴取の中で、聞かれなかったか? パーティは、購入したことの対価として開かれるもので、購入していない経済産業省の職員が来るのは、趣旨に反するのではないか? 今なお、問題ないとお考えか?

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「西村氏は鋭い眼光でじろり」と睨んだと報じたインターネット記事もあったが、記者の目を見てしっかり質問を聞いていた印象だ。

「検察とのやりとりの中では……、捜査に関わることですけど、言っていいと思いますが」

 裁判を理由に回答を控える場面もあった西村氏は、なぜかこの点には踏み込み、「検察とのやり取りの中では(“架空パーティ”について聞かれたことは)ありません」と否定。そして、こう語り始めた。

「私自身の政治資金パーティについては、収支を法令に則って報告しているところでありますが、大臣就任期間中は大規模なパーティを自粛するようにとの大臣規範がありましたので、私も後援会も分けるとか、そういったやり方で開催をしてきました」

「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」には、政治資金パーティについて「大規模なものの開催は自粛する」と記されている。「週刊文春」昨年12月21日発売号では、西村氏が、パーティを小分けにしてパーティ券での収入額を抑える“調整”を行っていた旨を指摘したが、それを認めたことになる。さらに、こう続けた。