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アイドルのメンバーになったが、給料が支払われず…

なな茶 中2の終わりの受験に入る前、私はちょっと受験勉強をしたくないなと思ってたんです。そんな時にお父さんが「アイドルになるなら、偏差値の低い高校でもいいよ。逆にアイドルにならないなら許さない。ちゃんと受験勉強しろ」っていうので、「デビュー」っていう雑誌があるじゃないですか。そこに載っている事務所の募集に全部送ったんです。

©杉山拓也/文藝春秋

 3つの事務所に受かった中で、「俺たちが面倒見るから安心して」と言ってくれた事務所に入ることになりました。

 静岡の家にまで来てくれて。こんなに本気な方はいないなって思ってたんですけど、少し違いましたね。「ステーション♪」というアイドルのメンバーになったんですけど、給料も払われなかったです。金曜になると新幹線で東京に行って、レッスンを受けて、そのまま土日はアイドル活動をしていたんですけど、その交通費も当然払われてなくて。お父さんがすごく工面して、交通費を出してくれました。

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©杉山拓也/文藝春秋

「このグループはもうダメだ」他のメンバーと一緒に卒業

ーーでもアイドルだとチェキとかありますよね。

なな茶 チェキはありましたし、グッズ販売もめちゃくちゃやってました。「ステーション♪」はあの時代の地下アイドルだと人気な方で、お客さんもいつも満杯でした。今思えば相当売り上げはあったと思うんですけど、みんなもらってなかったですね。なんか夢のために仕方ないっていう。本当に東京ドームに行くと思ってたので、 そのための若いうちの苦労ってこういうことなんだろうなって思ってました。

ーー「ステーション♪」はどのくらいの期間いたんですか。

なな茶 14歳から16歳までだから2年ですね。事務所自体がいろいろなところで未払いを起こしていて、今の「ボンボンTV」のいっちーこと、加藤一華ちゃんが卒業すると言った時に「このグループはもうダメだ」と思って、私も辞めました。