政治資金パーティを巡る裏金問題では、松野博一前官房長官や萩生田光一前政調会長、西村前経産相ら「5人衆」と呼ばれる安倍派幹部の疑惑も報じられたが、彼らの立件は見送られた。2022~23年に法務大臣を務めた齋藤氏は、検察の捜査についてもこう語った。
「国会議員を立件するということは、絶対に有罪にしなくちゃいけないんですよ。つまり立件をしたけど、『やっぱり無罪でした』ということになると、国政への介入になりかねない。国民に選ばれて、国政をやらなくちゃいけない人の活動を縛ってしまうわけですから。これは推測ですが、彼ら(検察)からすると、普通の人を立件するというのと、違う慎重さがあるのだろうなと思います。(今回は)自信が持てなかったんでしょうね。絶対に有罪にできるというだけの」
石破さんの「ピカイチ」と「残念に思うところ」
今後注目されるのは、「ポスト岸田」の行方だ。各種の世論調査でトップに立つのは、かつて齋藤氏が所属した派閥の領袖である石破茂氏である。
「自民党の中でこれほど勉強している人はめったにいないんじゃないかってくらいの凄い勉強家です。よく軍事オタクと言われますが、安全保障以外にもあらゆることを勉強し、日本の為に本当にどうしたらいいかを考え続けている人であることは間違いない。そういう意味ではピカイチの方だろうと思います」
その一方で、石破氏の“弱点”についてもこう指摘する。
「非常にピュアな方なんだと思うんですよね。『政治家というのは思ったことをはっきり、辛くても言う。自分が正しいと思ったことは発信しないとダメだ』というお考えが非常に強くあるので、『このタイミングでおっしゃるかな?』ということで相当損をされている。それが良いところでもあり、仲間を失うところでもあるんだろうなあ、と。残念に思うところもありますね」
小泉進次郞氏も「有力な候補」
同じく「ポスト岸田」に名前の挙がる、当選同期で親しい間柄の小泉進次郎氏については、次のように評価した。
「有力な候補でしょう。今すぐではなくて、みんなで育てていかなくちゃいけない。『ふさわしいか』『ふさわしくないか』ではなくて、ふさわしくなってもらうようにやるしかない」
経産大臣としての能登半島地震への対応、建設費の高騰や海外パビリオンの建設の遅れが指摘されている大阪万博への準備についても、語り尽くした齋藤氏。文藝春秋ウェビナー「青山和弘の永田町未来café」は、「文藝春秋 電子版」で視聴することができる。
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