「パディントン」シリーズの訳者として知られ、一昨年に亡くなった児童文学者の松岡享子さん。絵本の読み聞かせについて松岡さんがアドバイスを綴った『えほんのせかい こどものせかい』(文春文庫刊)が、今、子育て中のママやパパから熱い視線を集めている。
「子どもが、絵本から受ける素朴な感動を、うんと大事にしてやってください」
「物語絵本はたのしむもの……どうぞ質問魔、説明魔にならないでください」
「“満25歳以上”の(ロングセラーの)絵本を読みましょう」(本文より)
滋賀県大津市立図書館の司書・松本まどかさんは、読売新聞の連載『読書の達人・司書のコレ絶対読んで!』(2023年10月7日掲載)で、「語りかけるようなやわらかい文章が、スッと心に溶け込みます。」とインタビューで答えている。
文春文庫部の担当編集者Iさんは、「去年10月に、松本さんのインタビュー記事が出てから、本書の売上がじわじわ伸びて、先日、重版が決まったばかり。この本で紹介されている読み聞かせのコツは実践できるものばかりなので、幼稚園や小学校の“お受験”を目指す親御さんにとっても、頼りになる本であることは間違いないですね」と語る。