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「メイドインインディア」×「日本のテクノロジー」の重要性 インドでも売れ続ける貝印ブランド「KAIグループ」のこだわり

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 商品, テクノロジー, 企業

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近頃、キリンビールがとても良い発表をしました。提携しているインドのスタートアップ企業、ビラ(BIRA)とインドで「一番搾り」を作るそうです。現地生産です。

インドで一番飲まれているビールはキングフィッシャーですが、キリンビールはスタートアップのビラと組んで造るという。老舗のキングフィッシャーでなく、スタートアップと組むのが私は日本企業にとっていい決断だと思っています。インドのスタートアップと日本の老舗企業が組むというのは進出の仕方としてすごく面白いのです。

ちょっと辛口になってしまうかもしれませんが、CoCo壱番屋もインドに出てきました。まだまだこれからだと思います。店に来ているお客さんを見ると、日本人と日系企業で働いているインド人社員です。これではまだわかりません。もっともっと店を増やして、やはり何かメニューを現地生産することでしょう。

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「日本製」を売るのではなく、「インド製」を売る

これまでにインドに出てきた日本企業でも撤退したところがいくつかあります。現地合弁の失敗例ではNTTドコモとタタ・グループ(2014年撤退)。それから、第一三共とランバクシー(2014年撤退)。他にもあるでしょう。これは私の意見ですが、合弁の場合はよほど慎重に相手と交渉しないと難しいです。老舗同士の合弁ではお互いにプライドがあるから大変なのでしょう。

貝印はパートナーを組まないで、スタンドアローンでインドに進出しました。その代わり、10年は辛抱しようと決めました。私はスタンドアローンのほうが成功する確率は高いと見ています。

私は66歳です。インドに生まれて31年住みました。日本には35年、住んでます。上っ面だけでなく両方の国の本質を見ているのです。

日本人がインドで失敗したのも見ました。気をつけなくちゃならないところを見逃したのを見ました。やるべきことをやっていないことも見ました。だから、忠告したいと思います。