1ページ目から読む
2/3ページ目

積もりに積もった不満が爆発

 そして1年前の夏休み、妹一家とタイミングを合わせて一緒に実家に帰った際に、ある事件が起きたという。

「私が席を外している時に、うちの子どもを引っ叩いて説教したようです。もちろん悪いことを叱るのなら構わないんですが、どうやら自分の子どもと一緒に勉強させようとして嫌がったためビンタで言うことを聞かせたらしい。そんなことで子どもに暴力を振るうなんて、もってのほかです。

 横で見ていた親から話を聞いて妹に問いただしましたが、頑として聞かず、謝罪もナシ。さすがに気まずかったのか妹一家はその日の夜、親にも一言も断らず自宅に帰ってしまいました」

ADVERTISEMENT

 よくある一時的な姉妹ゲンカ……とはいかず、積もりに積もった不満が爆発した出来事だったようで、現在も姉妹の関係はこじれたままだ。

45歳の主婦・佐藤桐子さん(仮名)と、3歳年下の妹の間に亀裂が入ってしまったのは、お互いの「子育て」がきっかけだったという ※写真はイメージです ©AFLO

「その後も妹は、私たちの両親や親族に『私は悪くない。姉が……』と、ことあるごとに文句を言っていると聞いて、愛想が尽きました。それから一切連絡を絶って、顔も合わせたくないので実家に帰るのもやめました。

 両親は『子どもの受験でナーバスになっているみたいだから許してあげてよ』、夫も『そのぐらいのことで姉妹の縁を切るほどじゃないだろ』と仲直りをすすめてきますが、もうこのまま一生、会わなくても構わないと思っています」

子どもの頃から姉妹関係が悪かった

 関東近郊で医療事務の仕事をしている岡田翔子さん(仮名・35歳)には3歳年上の姉がいる。2人の関係は子ども時代から最悪だったという。

「私たちの父親は気性が荒く、幼少期から暴力に怯えて育ちました。ただ、私は末っ子ということもあってか、姉よりも可愛がられていました。父親は誕生日プレゼントも私にだけ買ってくるなど、子どもながらにひいきされているなと。

 そうした扱われ方の差が面白くなかったのか、姉は親のいないところで私にきつい言葉を浴びせてきて、いつも大ゲンカが絶えませんでした」

 翔子さんが10歳の時に両親が離婚。姉妹は2人とも母親に引き取られたため父親からの暴力に怯えることはなくなった。しかし、姉妹の関係はこじれたままだったという。

「母親は仕事が忙しくてほとんど家にいなかったので、家では姉と2人きりの時間が多かったのですが、ろくに喋ることはありませんでした。お互い顔を合わせないように夕飯の時間も別々で、それぞれの部屋で食べていました」

 その後、社会人になっても、2人の距離が縮まることはなかった。