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子どもに危機が迫っている場面では叱る必要があります。しかし、子どもが言うことを聞かないと感じた場面で、毎回叱る必要があるのでしょうか? そして、毎回叱ってくる人の言うことを子どもは聞きたいと思うでしょうか?

できれば、「いつも叱ってる人」ではなく、「ほとんど叱らない人」になり、いざ子どもを叱る場面では、「いつもは叱らないこの人が叱ってるってことは相当マズいことしちゃったんだな……」と思ってもらえる存在になれたらいいですよね。

忘れ物を責めるのはデメリットのほうが大きい

一度も忘れ物をしたことがない人はこの世に存在しないはずなのに、学校や支援の現場では、子どもの忘れ物に対して厳しすぎると私は感じています。「どうして忘れたんだ!」と詰め寄ったり、「次は絶対に忘れないように!」とその場で約束をさせたり。

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私はこのような、「忘れ物はよくないこと」という意識を持って子どもとかかわることをおすすめしません。

もちろん、忘れ物が多すぎるとその子が学習に参加する機会を失ってしまうなど不利益が生じるので、子どものためを思って「忘れ物はよくない」と言ってしまう大人の気持ちも十分に理解できます。しかし、「一切の忘れ物を許さない」という姿勢は、子どもに「忘れ物は悪」という意識を刷り込み、忘れ物をするたびに「忘れ物をした自分がいけないんだ」と、自分自身を責めさせ、自己評価を下げさせてしまうことが考えられます。

重要なのは、忘れない仕組みをどうやってつくるか

「忘れ物をしない」よりも大切なことは、「忘れ物をしたときにどうするか」「忘れない仕組みをどうやってつくるか」ではないでしょうか? 「忘れ物は誰にでもあって当然」という考えを前提として、「忘れ物をしたときにどうしたら困らないか」を子どもと一緒に考えたり、忘れ物をしたとしても、子どもが安心してさまざまな活動に参加できる環境を整えるほうが大切だと思うのです。

私たち大人は、つい「子どもが将来困らないように」と思い、子ども時代から忘れ物をしないように強く指導してしまうのかもしれません。でも、よく思い出してみてください。みなさん、忘れ物をしたことが一度もないですか? 私は今朝、プラスチックごみを出し忘れました。忘れ物をするのは子どもだけじゃないんです。忘れ物は誰だってします。私も、あなたも。