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「海洋散骨には3パターンあるんです」意外と知らない“新しい時代の葬儀”のルール〈NGとされているポイントは?〉

『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』より #2

2024/02/15
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樹木葬は?お寺の合祀は?

 また、最近は樹木葬も人気だが、そちらはどうだろう。

「樹木葬はみなさん憧れですけど、想像しているのは、木の下に埋めてもらうということだと思います。ただ、そうなってくるとその木の面倒は誰が見るのということになるので、ほとんどできないんですね。根が伸びるので、土地もかなり広くないといけない。なので、だいたいの樹木葬はメインツリーが一本あって、その前が区画してあってそこにお骨を入れるという形です。そうなると、自分の考えていた樹木葬とは違うということで、二の足を踏む人が結構いらっしゃいます」

 確かに、想像する樹木葬とは違う。

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「ただ、最近はお寺も墓じまいなどで土地が空き始めて、そこに藤棚を作ったりして、その下を区画して樹木葬にするところが増えてはいます」

©AFLO

 そんな樹木葬、それほど値段は高くなく、20万円くらいのところが多いという。樹木葬ではなく、お寺で合祀という形で預かってもらうという形もある。

「合祀といっても普通の納骨堂というか、合祀墓、棚に置いておく形なんですが、15万~35万円くらいであります」

 年会費的なものがかかるところもあれば、払いきりというところもあるという。おひとりさまで管理してくれる人もいないとなれば、払いきりの方が安心だ。

 また、LMNでは5万円で納骨できるプランもある。京都の寺院と提携することで、民間の合祀墓に5万円で納骨できる仕組みを作ったのだ。

葬儀には「直葬」や「葬祭扶助」も

 さて、ここまで「骨」について書いてきたが、その前に葬儀がある。

 何かとお金がかかりそうなイメージだが、最近増えているのは「直葬」と言われる方法。通夜や告別式を行わず、火葬だけをすることで、費用は8万~20万円ほど。

 ちなみに生活保護を利用する人が亡くなった場合、都市部で約21万円ほどの葬祭扶助が出て、直葬となる。

 生活保護を利用していなくても、身寄りがなかったり遺族が葬祭費を出せない場合、申請すれば葬祭扶助が出ることもある。

 厚労省によると、2022年度、国と自治体が葬祭費を負担したのは全国で5万2561件(速報値)。初めて5万件を超え、過去最多となった(朝日新聞 23年10月23日)。

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