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「どう見ても日本のほうが強い」「すべての面で遅れている」アジアカップベスト4でも、韓国で“監督批判”と“日本コンプレックス”が吹き荒れる根深い理由

2024/02/10
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 韓国代表は8日夜に帰国したが、仁川国際空港に押し寄せた300人ほどのサッカーファンはクリンスマン監督に「これがサッカーか」、「Go Home!」という怒号を飛ばした。それでも、クリンスマン監督は終始トレードマークの笑顔を浮かべ、記者会見では辞任するのかという質問を笑って一蹴し「今大会でも肯定すべき成長があった」とした。

 韓国ではこの前日、スポーツニッポンの垣内一之記者が投稿した「クリンスマン監督ですが、#アジア杯4強が最低ノルマだったようで、自動解任はできないようです。8強敗退なら違約金なしで解任できたようです」というX(旧ツイッター)が大バズりしていた。クリンスマン監督の年俸は約29億ウォン(約3億2000万円)だが、今回解任するとその違約金は60億ウォン(約6億7000万円)にのぼると報じられている(朝鮮日報2月8日)。

 前述の全国紙運動部記者は言う。

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「クリンスマン監督は昨年春に就任してから、アメリカやヨーロッパに滞在しながら“在宅勤務”をしており、その不誠実さに批判が集まっていました。今大会でも、せっかくソン・フンミンらの海外組がいながら戦略のなさが際立ちました。違約金を出してでも解任すべきでしょう」

 最大のライバルと目されていた日本はベスト8に終わり、韓国はベスト4だった。しかし「日本の方が強い」という感覚は変わっていないようだ。

「史上最強」と言われる日本代表への評価は韓国でも高い ©時事通信社

「すべての面で韓国は日本に遅れをとっている」

 そんな中で、アジアカップ前に行われたソン・フンミン選手の父親、ソン・ウンジョン氏のインタビューに注目が集まっている。

「(選手個人の技量を総合してみると)韓国は日本相手では勝負にならない。韓国サッカーは反省すべきだ。実力、サッカー界への投資などすべての面で韓国は日本に遅れをとっている。もちろん韓国が優勝することを願ってはいるが、これほど準備ができていない状態でもし勝ってしまったら、その結果だけを見て逆に変化が遅れてしまうのではという憂慮だけが募る。韓国サッカーが病気になるのではないか。すっからかんの実力でだましだましなんとか日本に勝ったとしても、それは自らを欺くこと。冷静にいえば、優勝してはいけない」

 ソン・ウンジョン氏はソン・フンミン選手を自ら育てたことで知られ、現在は少年にサッカーを指導する「SONフットボールアカデミー」を運営している。

 韓国サッカー界の波乱はまだまだ続きそうだ。

「どう見ても日本のほうが強い」「すべての面で遅れている」アジアカップベスト4でも、韓国で“監督批判”と“日本コンプレックス”が吹き荒れる根深い理由

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