警視庁麴町署は2月8日、元妻との離婚届に偽の署名を記入した、有印私文書偽造などの疑いで、つくばサイエンス高校副校長の遊佐精一容疑者(53)を逮捕した。本件を巡っては、「週刊文春」が昨年5月11日発売号でいち早く報じていたが、実は逮捕に至るまでに遊佐容疑者は元妻に――。

遊佐氏の校長就任は朝日新聞なども報じた(写真は県HPより)

強制調査を受けた「テラ」の代表取締役

「逮捕容疑は22年1月7日、当時の妻A子さん(50代)の署名を偽造した離婚届を、東京都・千代田区役所に提出したというもの。A子さんの元に千代田区役所から離婚届受理の連絡が届き、同意を得ずに離婚届が提出されていたことが発覚しました。遊佐容疑者は離婚届の提出から間もなく、別の女性B子さんと再婚しており、麴町署は彼女についても署名の偽造に関与したとして同容疑などで書類送検する方針です」(社会部記者)

A子さんの同意なしに提出された離婚届

 遊佐容疑者は東京大学大学院を修了後、米フォックスチェイス癌研究所を経て、2018年9月、バイオベンチャー「テラ」の代表取締役に就任。ところが、同社はコロナ治療薬に関する情報開示を巡り、2021年3月に証券取引等監視委員会から強制調査を受け、2022年に破産手続きを開始した。

ADVERTISEMENT

 その後、昨年4月、茨城県の公募校長制度に合格し、新設校であるつくばサイエンス高校の副校長に就任。同校は研究者や技術者の育成を掲げる県肝煎りの有力校で、彼の“経歴”が買われたとされる。1年間副校長を務めたのち、この4月に同校の校長に昇任する予定だった。

「今回のことを高校生全員に話そうと思っている」

 だが、「週刊文春」が昨年5月11日発売号で報じたように、県立有力校の“次期校長”はこの間、離婚届の偽造に手を染め、刑事告発されていたのだ。