この映画に出演して学んだこと
これまでにも軍人を演じてきたギレンホールは、長年の間に知識を培い、軍隊関係の知り合いもできた。だからこそ、この物語にはたしかなリアリティがあると確信できたという。
「俳優はみんな同じことを言うと思うけれど、この仕事のすばらしいところのひとつに、普段の生活では絶対に会う機会のない、興味深い人たち、優れた人たちに会わせてもらえることがある。僕自身には軍隊経験がないし、家族や親戚にも軍人はいない。かつて僕は、軍隊についてはほとんど何も知らなかった。だが、20代後半で『ジャーヘッド』(05年)に出て、すごく多くを学ばせてもらうことになったんだ。あの映画をきっかけに、僕の軍隊に対する考え方は、大きく変わったよ。その後も軍隊経験のあるキャラクターを演じてきたが、その過程で知り合った中に、現役の軍人だった頃、通訳に命を救ってもらったという人がいる。今、彼はニューヨークの緊急事態対策チームで働いているけど、『今の自分があるのはその人のおかげだ』と僕に言った。彼がその人の家族を助けてあげたこともあったというから、この物語にすごくつながるよね。しかも、この映画は、それを美化することなく語ろうとするのさ。ヒーローになろうなんて思っていなくても、やりたくてやったんじゃなくても、人は良いことをしたりするものなんだ。状況が、人間のいいところを引っ張り出してくれることがあるんだよ。誰の中にも、それがあるんだ。僕は、そこに感動する」(ギレンホール)
「それに、この映画に出てくるみたいに極端な状況である必要はないんだよ。ジョンとアーメッドのような大きなことをやってみせなくても良いんだ。近所の人のお手伝いをするとか、心配事のある友達に電話をしてあげるとか、小さなことで良い。毎日何かひとつ、誰かのために、ちょっとしたことをやってみるようにしよう。僕は、この映画からそれを学んだ」(サリム)
アフガニスタン人通訳へのビザ未発給に再び焦点を
そこには、ギレンホールも大いに同感だ。しかし、彼はまた、もっと大きなことについても、人々に知ってもらいたいと思っている。