いじめの内容は様々。私の収容されていた島根あさひ社会復帰促進センターでは激しいいじめはなかったものの、食事を食べさせない、祝日に配布されるお菓子を捨てさせる、真冬にもかかわらず大浴場の湯船に入浴させない、また受刑者が既に入浴している風呂のお湯を使用して身体や頭を洗わせる。
監視カメラの死角となる場所で身体を蹴る、受刑者同士が話のできる余暇時間に部屋から呼び出されてひたすら点検拒否という規律違反を自分で起こして、この工場からいなくなれと詰め寄られる。切手をかつあげされたりと、このようないじめは絶えなかった。
「便所の水に浸かったメシを食え」
ちなみに26歳以下受刑者が収容される少年刑務所のいじめはもっと壮絶だ。川越少年刑務所から島根あさひ社会復帰促進センターへ移送されてきた受刑者から話を聞いたことがある。
「自分がいた少年刑務所はハンパじゃなかったです。運動時間はひたすら筋トレ。一人が脱落したら、連帯責任でやり直し……地獄でした。いじめも凄かったです。雑居房で顔以外殴る蹴るは普通にありました、身体なら服を着ていて見えないので、アザができたりけがをしても問題ないんですよ。それから、ご飯に洗剤かけられたり、便器にご飯を突っ込まれて、便所の水に浸かったメシを食えって言われたり。休みの日に大便をずっと我慢させられる受刑者もいました……」
自慰行為を強要され、出した自分の精液を飲めなどと言われた受刑者もいた。少年刑務所では日常的にこんないじめが行われていたと知り鳥肌が立つと同時に、自分が30代でよかったと心底安心した瞬間でもあった。そんなことで安心するくらいなら最初から犯罪なんてするなと後々思い、なんだか自分が虚しくなった。