「また詐欺やりますよ。だって儲かるじゃないですか……楽して稼ぐには一番ですね」

 中には刑務所内で、次の犯罪計画の仲間を探す輩も……かつて特殊詐欺で懲役5年4ヶ月を言い渡されたフナイム氏が見た「塀の中の懲りない面々」とは? フナイム氏による反省と警告の書『闇バイトで人生詰んだ。~元特殊詐欺主犯からの警告~』(かざひの文庫)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む) 

懲役5年男が見た「塀の中の凝りない人たち」とは?(写真はイメージ) ©getty

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「また詐欺やりますよ。だって儲かるじゃないですか…」

 受刑者の中には全く自身の犯した罪と向き合っておらず、一切反省などしていない者が多くいた。大浴場は監視カメラが1台あり、そのカメラから民間警備会社のアルソックの警備員と刑務官が常時入浴の様子を監視している。そのカメラに向かってお笑い芸人のアキラ100%のネタの真似をする、もちろん大浴場は大爆笑。それも束の間、刑務官が即座に駆け付け、怒られながら連行されていく受刑者。

 自弁購入できる頭痛薬や風邪薬を作業のない休日にオーバードーズしてフラフラになり、現実逃避する受刑者、出所してから何をするのかという話をした時に「売人ですね。単純に稼げるから」、「また詐欺やりますよ。だって儲かるじゃないですか……楽して稼ぐには一番ですね」、「自分は一生地面師ですね。地面師やってビル3つ買いましたし。やめられないです。今回の刑期もたいしたことないしまぁ合宿に来たようなもんですよ」、「シャブはやめられないですよ。というか。やめる気がないですから」等々、一切悪びれる様子もなく、「出所したら一緒に悪いことしましょう」と仲間を刑務所内でリクルートしながら過ごす受刑者。

 来る日も来る日も刑務官に悪態をつき「満期出所上等」と言いながら他の受刑者に喧嘩を売ったり、作業をさぼってみたり、とにかく迷惑ばかりかけるいわゆる「無敵の人」のような受刑者もいた。そういう受刑者を見ていて私は常に嫌悪感を抱いていたが、全く関わらないように近づくことなく自分のペースで刑務所生活を過ごす間に、いつのまにか気にも留めなくなっていた。

私が刑務所で見た「3つの不正行為」

 刑務所でよく行われる不正行為についても書き留めておく。

 私がよく見た不正行為は、「不正交談」「物品不正授受」「夜読(やどく)」この3つは日常茶飯事だった。