2017年、神奈川県の東名高速で、石橋和歩被告(32)の車が萩山友香さん(当時39)運転のワゴン車の前に繰り返し割り込み、友香さんと夫の嘉久さん(同45)を死亡させ、娘2人にけがを負わせた事件。2月26日に行われた二度目の控訴審で、東京高裁は被告側の控訴を退け懲役18年を言い渡した。判決を聞いた石橋被告は退廷時、裁判官に向かって「俺が出るまで待っておけよ」と言い放ったという。
なぜ家族の幸せは一瞬にして奪われてしまったのか。事件を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:「週刊文春」 2017年10月26日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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一家はディズニーランドの帰りだった
2018年6月5日、神奈川県大井町の東名高速下り線で起きた痛ましい死亡事故は、4カ月後に“事件”へと発展した。死亡事故を誘発したとして自動車運転死傷行為処罰法違反と暴行容疑で逮捕されたのは、福岡県在住の石橋和歩容疑者(25)だった。
「萩山嘉久さん(当時45)と妻・友香さん(当時39)夫婦は、2人の娘とディズニーランドやお台場を観光した帰宅途中でした。パーキングエリアで道をふさいでいた石橋を注意したところ逆恨みされた。約1.4キロにわたり追いかけられ、執拗な進路妨害をされたため、やむなく車を停車。車外で石橋から胸倉を掴むなどの暴行を受けた後、後方からトラックに衝突され、夫婦は亡くなりました」(社会部記者)