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《東名あおり運転・石橋和歩被告 懲役18年》遺族姉妹の悲痛コメント「両親は死んでいるはずなのに…」

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 2017年、神奈川県の東名高速で、石橋和歩被告(32)の車が萩山友香さん(当時39)運転のワゴン車の前に繰り返し割り込み、友香さんと夫の嘉久さん(同45)を死亡させ、娘2人にけがを負わせた事件。2月26日に行われた二度目の控訴審で、東京高裁は被告側の控訴を退け懲役18年を言い渡した。判決を聞いた石橋被告は退廷時、裁判官に向かって「俺が出るまで待っておけよ」と言い放ったという。

 なぜ家族の幸せは一瞬にして奪われてしまったのか。事件を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:「週刊文春」 2018年9月20日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)

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姉妹の証言によって事故の経緯が明らかに

事故が起きた現場

「両親のことを思い出すだけで心が折れそうになります」

 2018年6月、東名高速で「あおり運転」をされた車が大型トラックに追突されて夫婦が死亡した事故。発生から1年後、長女はコメントを発表した。

 この事故ではパーキングエリアの通路に車を止めていた石橋和歩被告(26)が静岡市清水区の萩山嘉久さん(当時45)から注意されて立腹し、一家のワゴン車を執拗に追跡。追い越し車線に無理やり停車させて追突事故を引き起こし、萩山さんと妻(同39)が死亡。同乗していた当時高校生と小学生の姉妹も軽傷を負った。

 残された姉妹は勇気を振り絞って警察に事故直前の状況を訴え、経緯が明らかに。石橋は2017年10月、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などで起訴された。

 そして9月7日、横浜地検は予備的訴因として監禁致死傷罪を裁判所に追加請求したことが明らかになった。

 司法担当記者が解説する。