打ち上げテストでは長さ3mの物体を高度8kmまで到達させています。ただしこれはあくまでもテスト。宇宙に到達させるための本番の加速器はさらに3倍大きなものになり、2026年の初打ち上げを目指しているようです。
別の方法を考えているのは、同じくアメリカの「グリーンローンチ」。衛星を振り回すのではなく、大砲のように打ち出す形式を取ります。長い筒に水素と酸素などを充填し、このガスを爆発させることでペイロードを発射するのです。
この方式では最大で秒速11.2kmを記録したことがあるようですが、グリーンローンチでは秒速6kmほどにとどめ、衛星や発射装置へのダメージを軽減する予定だそうです。とはいえ、秒速6kmというのはマッハ17にも達する猛烈な速度です。
スピンローンチにしてもグリーンローンチにしても、これだけで地球周回軌道に物体を打ち上げることはできません。小さなロケットごと打ち上げ、ある程度の高度に達したらこのロケットを噴射して最終的な軌道に衛星を投入する計画です。
いずれも普通のロケットより安く打ち上げられるというのを利点にしています。一方、どちらもものすごいスピードで振り回されたり撃ち出されたりするので、衛星にかかるGはとても大きくなります。
グリーンローンチでは最大3万Gとのこと。1kgの物体に30tの重みがかかるのと同じですので、衛星の開発は難しいはず。もしかしたら、従来の衛星とはまるで違う物体を打ち上げることになるのかもしれません。
SFファン待望! 宇宙と地球でホログラム状態での会話成功
映画「スター・ウォーズ」で、青白い光で主人公の前に現れるレイア姫。それは、ホログラムと呼ばれる空間に浮かんだ3次元映像で、本人はそこにはいません。遠隔地に人の姿を3次元で投映することができるホログラムはさまざまなSFにも登場しますが、現実世界でも役に立つ時代が近づいていそうです。
実験に成功したのは、地上と国際宇宙ステーションの間。送られた映像は、宇宙飛行士の健康を管理する「フライト・サージャン」であるジョセフ・シュミット博士のものでした。