「ガソリン自動車に最適化しすぎて、CASEの流れに乗り遅れました。系列部品メーカーは、ガソリン自動車の時代には当社の強みでしたが、いまは戦略転換する上での足かせになっています。ゲームチェンジによって、トヨタはこのまま衰退してしまう可能性が高く、グループを解体するくらいの改革が必要だと思います」(D氏・現役社員)
2003年創業のテスラや1995年創業のBYDが電気自動車でトップランナーになっているのは、電気自動車は“ものづくり”が簡単で、新規参入が容易であることを意味します。この大競争時代に突入したいま、不祥事が多発し、戦略の転換にも手間取っているトヨタは、前途多難と言えそうです。
豊田章男会長は「とにかく良い人」
トヨタを指揮するのが、創業家出身の豊田章男会長。豊田章男会長の経営手腕は、社内ではどう評価されているのでしょうか。
「全世界37万人の社員をまとめ上げるのは、並み大抵のことではありません。トヨタイムズは、社外向けの発信であると同時に、グループ社員に向けたメッセージでもあります。こうした社員と向き合う豊田章男会長の気持ちは、社員に確実に伝わっていると思います」(E氏・元社員)
「豊田章男会長の経営スタイルをトップダウンと見る人もいるようですが、社員や顧客の声を柔軟に取り入れて舵取りしています。『まずバッターボックスに立て』と挑戦を促しており、実際に頭ごなしに社員のことを否定したりはしません」(F氏・現役社員)
豊田章男会長の性格・特徴についても聞いてみました。多くの社員が「忖度なしに」という一言を添えて、豊田章男会長の人間性を称えていました。
「やはり育ちが良いので、我々のようなひがみ根性がありません。自分が好きなことやトヨタにとって良いと思ったことを真っ直ぐに突き詰めます。社員の我々が『もっと海千山千でも良いのでは?』と思うくらい、とにかく良い人のようです」(C氏・現役社員)