「週刊文春」取材班は、トラブルの経緯が記された団体の内部文書などを入手し、団体理事らに取材を申し込んだ。理事らは上記の資金・口座などが返還されないことに困惑しており、「穏便に解決したかったが団体の健全化のために事実をお話しする」と取材に応じた。当時の記事にもその経緯を記している。
そして「週刊文春」が報道した約1カ月後、デヴィ夫人の意向をよそに、「アミチエ」の取引銀行が団体側に通帳の再発行を認める形で、1700万円の入った口座が団体側に事実上、返還されることとなった。その経緯についても10月1日付の「文春オンライン」で報じている。
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デヴィ夫人は今回の投稿で「事実無根であるほか、一部の事実を切り取り」「乗っ取ろうとしたことも、私物化しようとしたことも、1700万円を持ち逃げしたことも、一切ございません」などとしている。
“持ち逃げ”証拠文書〈キャッシュカードは,引き続き私が…〉
だが、“持ち逃げ”を証明する客観的証拠が存在する。取材班の手元には、デヴィ夫人の代理人弁護士名の印鑑付きで団体側に送られた、昨年6月23日付の文書がある。団体側から資金・通帳などの返還を求められた際、デヴィ氏側の弁護士が「御回答」として送ったものだ。
〈ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ殿が管理しております一般社団法人AMITIE SANS FRONTIERES(以下アミチエといいます。)の預金口座の同年6月6日現在の残高は別紙の通り, ¥17,886,227 です。〉
ラトナ~とはデヴィ夫人の本名。さらにデヴィ夫人自身の見解として、こう綴られている。
〈現在私が保管している,アミチエの社印,印鑑カード,通帳,キャッシュカードは,引き続き私が使用します〉
5月に代表を解任されたにもかかわらず、1788万円の残高がある口座を引き続き自身が管理するとはっきりと宣言しているのだ。
また小誌の直撃取材にも、彼女はこう強弁していた。
「わたくしがオーナーなの。わたくしはこの口座を自分で使おうと思っていますから」