インドネシア元大統領の第3夫人でタレントのデヴィ夫人(83)が、一般社団法人「アミチエジャポン」(略称)の資金約1788万円を持ち逃げしてトラブルになっていた問題で、「週刊文春」報道後の9月中旬、団体側に事実上、資金が返還されていたことがわかった。団体理事が取材に対して事実関係を認めた。

 この団体は、モナコに本部を置く慈善団体「アミチエ ソン フロンティエール」の日本支部として設立。社交パーティーによる収益の寄付などが目的で、昨年9月からはデヴィ夫人が代表理事を務めたが、今年5月に解任。しかし、デヴィ夫人は団体名義の口座通帳や印鑑、資料を持ち逃げしていた。解任、そして金銭トラブルの内幕は、「週刊文春9月7日号」や8月30日配信のオンライン記事(スクープ速報)で報じている。トラブルの発端は、経費などの「私物化」だ。

デヴィ夫人 ©時事通信社

1788万円の残高がある口座通帳を「持ち逃げ」

 デヴィ夫人自身による今年1月のウクライナ渡航費など、600万円に及ぶアミチエと無関係の経費を事後請求する。理事会でその一部の決済が否決されるとデヴィ夫人は「おかしいです!」と激高し、折り合いがつかない状況になったという。

ADVERTISEMENT

 その他、デヴィ夫人が個人事務所のアドレスから会員に無関係なメールを送付するなどの行動もあり、理事らはやむなくデヴィ夫人を解任した。だが、代表を解かれた後もデヴィ夫人は、約1788万円の残高がある団体の口座通帳などを所持したまま返却せず、双方が弁護士を通して交渉するトラブルが続いていたのだ。

デヴィ夫人が会員に送ったメール

 デヴィ夫人は理事らに対し通帳を「返却いたしません」と主張。8月には「週刊文春」の取材にも「わたくしがオーナー」「わたくしはこの口座を自分で使おうと思っていますから」などと語っていた。

 約4か月間続いた資金持ち逃げ状態。改めて理事らに取材すると、事態の進展が判明した。「週刊文春」の報道から約2週間後の9月中旬、アミチエ側弁護士の手元に、銀行から団体名義の通帳が届いたという。