タレントのデヴィ夫人(84)が、モナコ慈善団体の日本支部から資金約1788万円の入った銀行口座の通帳と印鑑を“持ち逃げ”し、トラブルになっていた問題。2月27日、デヴィ夫人は、トラブルを報じた「週刊文春」や証言者らを名誉毀損および信用毀損の罪で刑事告訴したことを明らかにした。
SNSやブログへの投稿で、デヴィ夫人は「報道された内容は事実無根」としている。だが「週刊文春」の記事は、団体理事の直接証言や資料に基づき、事実関係を十分に確認して報じたものだ。そして、なによりデヴィ夫人自身が「週刊文春」の取材に対して、自身が代表を退いたにも関わらず口座を継続して使用していたことなど、トラブルの事実関係を明確に認めているのである。
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持ち逃げトラブルの舞台となったのは一般社団法人「アミチエ」(略称)。団体の目的は、社交パーティーで集めた金銭を国連機関に寄附することであり、モナコに本部を置く慈善団体「アミチエ ソン フロンティエール」の日本支部として設立された。デヴィ夫人は2022年9月から団体の代表理事を務めたが、2023年5月に解任された。
ことの発端は、夫人による経費などの“私物化”だった。
600万円に及ぶ費用を独断で使用
デヴィ夫人は昨年1月のウクライナ渡航費など600万円に及ぶ費用を独断で使い、突如、団体に事後請求したのだ。大々的にアピールしたウクライナ訪問の裏で、その費用を会員の会費からなる「アミチエ」の経費で賄おうとしていたのである。
理事会は苦肉の策で当初の物資輸送費などを認めた代わりに、「事後決済は今回まで」と念を押し決議。ところが、デヴィ夫人は次の理事会でも現地での食費などを請求。そこには「秘密警察への食事」など不可解な内容も含まれていた。
そこで、ルール違反の事後請求で団体との関連も疑わしいなどとして、理事会が一部否決すると、デヴィ夫人は「おかしいです!」と激高。他の理事らと折り合いがつかなくなると、デヴィ夫人は会員たちの連絡先を転用し、個人事務所のメールアドレスから団体と無関係な活動への勧誘を会員に送るなどしたため、解任に至った。
しかしその後もデヴィ夫人は、資金をはじめ印鑑、通帳など団体の資料を返還するよう求められても、応じなかったのだ。