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「外交顧問兼外交秘書」の名刺を渡して

 その松下氏は2019年10月頃から、X氏に「外交顧問兼外交秘書」と記した名刺を渡し、重要な会合の場などにも同席させていた。

松下氏がX氏に渡した名刺

 さらに、「週刊文春」は2021年7月16日夕方、松下氏とX氏が旧知の中国人社長の自宅に向かうところを撮影していた。当時は緊急事態宣言下ということもあって、2人はマスク姿。X氏は両手一杯に荷物を抱えていた。

 つまり、X氏は松下氏の秘書として重要な役割を担う傍ら、「中国警察の海外拠点」との懸念が指摘される団体の幹部を務め、詐欺行為にも手を染めていた疑いがあるのだ。

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X氏が松下氏に紹介した中国人会社社長の豪邸に2人で(2021年7月)

岸田政権は経済安全保障に力を注いできた

 X氏の自宅に質問状を投函したが、期限までに回答は無かった。

 松下事務所にも事実関係の確認を求めたが、担当者が「(期限に)間に合わないので回答しません」とした。

 覇権主義を取る中国の脅威が指摘される中、岸田政権は経済安全保障に力を注いできた。それだけに、松下氏には、今回書類送検されたX氏との関係について透明性のある説明が求められそうだ。

 2月28日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および2月29日(木)発売の「週刊文春」では、松下氏と中国との関係の深さや、松下氏がX氏に議員会館の通行証を発行した経緯、X氏が幹部を務めていた一般社団法人の実態、専門家が指摘するウィーン条約違反の疑いなどについても報じている。

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