パフォーマンスアップに「エナジードリンク」を飲んではいけない
ご高齢の方の熱中症予防のスポーツドリンクと同様に、若者がパフォーマンスアップのために飲みがちなのがエナジードリンクです。
代表的なエナジードリンクは250mlあたりで糖質量が27g。これを仕事始めに景気づけに1本飲めば、飲んだ直後は少し興奮感があるはずですが、やがて食後高血糖を呈して糖質疲労を招くことでしょう。
思わず、エナジードリンクの効果が切れたと思って、もう1本、さらに1本とほしくなることでしょう。エナジードリンクを飲んで、元気になるけれど、途中でエネルギー切れを感じている方、それがまさに糖質疲労だと思ってください。
糖質疲労のある方がエナジードリンクを生活習慣として取り入れていると、単にパフォーマンスを下げることになるばかりでなく、将来の病気を招くことになるでしょう。
「乳酸菌飲料」で腸内環境が悪化?
朝食のとき腸内環境を整えるため乳酸菌飲料をお飲みになるという方は以前からいらっしゃいました。最近では、睡眠の質をよくしようとして、就寝前に乳酸菌飲料をお飲みになる方も増えているようです。
しかし、食後の血糖値を上げてしまえば、腸内環境が悪化することが報告されています。(*6)腸内環境をよくしてくれるはずのドリンクで腸内環境を悪くするのは残念なことです。また、血糖値を乱高下させれば体が疲れてしまって(糖質疲労を生じて)眠りたくもなるかもしれません。しかし、それで深く眠れたところで血管を傷めてしまっているかもしれません。
*6 Cell 2015; 163(5): 1079-1094
ぜひ、パッケージに明記されている栄養成分表示をチェックする癖をおつけください。糖質が分けて記載されているもの(糖質量をご覧ください)と炭水化物しか記載のないもの(炭水化物量≒糖質量とお考えください)とがあります。ちなみに睡眠の質をよくするとうたっている乳酸菌飲料では、1本(200ml程度)あたり14~27g程度です。これは角砂糖にして3~5個分に相当します。