「共通点は、どれもおいしそうな焼き色がついていることです」
現役医師が「食べれば食べほど老化が進む食べ物」を一挙紹介。糖尿病専門医の牧田善二氏の新刊『認知症にならない100まで生きる食事術』(文春新書)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
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体を老化させるのは「糖化」
「体を老化させるもの」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのはなんでしょうか?
アンチエイジング医学で、これまで注目されてきたのは「酸化」でした。「酸化」とはひと言で言えば「サビ」です。
体が鉄のようにサビるわけではありませんが、細胞が体内の「活性酸素」によって傷つけられて、老朽化していくことです。酸素は動物が生きていく上で絶対に不可欠のものですが、取り入れた酸素のうち2~3パーセントが活性酸素となって、体に害を及ぼすのです。
近年、酸化よりはるかに悪い影響を及ぼすものが他にあることがわかってきました。それが「糖化」です。これをひと言で言えば「コゲ」となります。タンパク質が糖質と結びついて劣化することです。
・酸化体の細胞がサビる
・糖化体の細胞がコゲる
この糖化によって体内で大量に作られている悪玉物質が、最近のアンチエイジング医学で注目されています。それが「AGE」という物質です。
AGEは、それ自体がとても怖いのですが、体内にどんどんたまり、全身のありとあらゆる場所に老化をはじめとして様々な害を引き起こします。
肌のシミはもちろんシワやタルミなどの目に見える老化だけではありません。がんや動脈硬化、骨粗鬆症、白内障、アルツハイマーなど、年齢とともに現れる病気も、AGEが大きな原因の一つなのです。
老化の最大の原因は、糖化によってできる体内のAGEだということをよく頭に入れておいてください。AGEこそは人類の最大の敵なのです。
AGEはこんがり焼き色がついたものに多い
AGEについてもう少し詳しく説明しておきます。
AGEは「終末糖化産物」と訳されるもので、ブドウ糖などがタンパク質と結合して生まれる物質の最終反応物です。とりわけ高熱が加われば、AGEは大量に生産されます。
最終反応物ですから、一度AGEになってしまうと、元のタンパク質とブドウ糖に戻ることはありません。
では、「タンパク質とブドウ糖が同時に加熱される」とはどういうものを指すのでしょうか。身近なものがすぐに思い浮かぶじゃありませんか。
から揚げ、トンカツ、照り焼きハンバーグ、パンケーキ、ピザ、お好み焼き、タコ焼き、焼きそば、焼き肉、焼き鳥、鰻の蒲焼き……。