『IQ140! インテリでボーイッシュなエロ頭良い帰国子女 スレンダー現役女子大生AVデビュー』――2023年に発売したデビュー作では、見たことのないキャッチフレーズで話題を呼んだ、セクシー女優で翻訳家の水谷梨明日さん。
最初に受験した慶應義塾大学の経済学部は現役で一発合格。ところが、せっかく入った慶應をわずか1年で退学。いったい何があったのか? 文筆家の寺井広樹氏の『高学歴AV女優』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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名門・慶應経済学部を現役合格したけれど…
――高校卒業後は現役で慶應合格ですか。
水谷 慶應の経済学部に一般入試でたまたま受かりました。日本の大学とアメリカの大学、両方受けてどちらも受かったんですけど、アメリカの大学が始まるのが8月とか9月なんで、最初の1学期だけ慶應に行ってました。
――めちゃくちゃすごいですね。
水谷 全然そんなことありません。日本の大学に行く気はなかったので、高校2年生くらいから学校の勉強はほぼしてなくて、塾も行ってなかったんです。ただ慶應はありがたいことに英語の配点がすごく高くて、アメリカの大学受験の勉強をしてたので、それで最後の2年で英語力も上がって合格できた感じです。
あと苦手なりに、泣きながら数学やったおかげで経済学部の足切り点には何とか届きました。数学の足切りがあって、それを超えていると他の2教科のテスト結果を見てもらえるというシステムなんです。でも、アメリカの大学に行って戻ってきてから、また慶應を受験したんですけど、経済と商学部を受けて経済は落ちました。数学ができなくなっていたので。だから当時は本当にギリギリだったんだなと改めて思いました。
――でも商学部は受かったんですね。
水谷 現在、慶應の商学部に在学中です。今は休学してるんですけど。いつまで大学生やるんだって話なんですけどね(笑)。
――高校3年のときは相当勉強しましたか。
水谷 アメリカの大学受験って、自分を説明するエッセイを書かなきゃいけなくて、それを学校や塾の先生に見てもらって何度も書き直しました。勉強というよりは文章力と自己アピール力を特訓しましたね。あとは共通試験を受けるので、単語をいっぱい覚えました。
それまでも帰国子女クラスで英語を勉強してたんですけど、高校2~3年で難しい単語が載ってる分厚い単語集をずっとやってました。でも、その何倍もアメリカの大学で勉強する羽目になったので、今思うと受験期はたいしたことなかったなと思います。
――アメリカではどんな大学に?
水谷 アメリカの四年制大学の中には、小規模で寮生活を基本にしていて、いろんなことを幅広く学べるリベラル・アーツ・カレッジと呼ばれる大学があるんです。リベラル・アーツ・カレッジは全部で600校くらいあるんですが、その1つ、アイオワ州にあるグリネル大学に行きました。学生数1700人の本当に小規模な大学で、学生対教授の人数比は9対1、ほとんどの授業は学生数20人未満です。
――大教室での授業とかはなくて、全部ゼミみたいな?
水谷 そうです。その大学でジェンダー学を専攻しました。自慢みたいになってしまいますけど、グリネル大学は入学するのが難しくて、全体の合格率が9%程度、留学生に限ると1%未満です。来て欲しい生徒には奨学金を出しますが、何%出るかは大学側次第。私はほかの大学も受かってましたけど、他大学は申請した50~65%くらいの奨学金しかくれなかったのに対し、グリネルは100%だったので即決でした。
――アメリカの大学は入るのはそれほど難しくなく、卒業が難しいと聞きますけど?
水谷 そう言われてますけど、人気のあるリベラル・アーツ・カレッジや、ハーバードなどのアイビーリーグ校(世界的に知られる米国の8つの私立大学)に関しては、入るのは激ムズの運ゲーで、卒業するのも血反吐と涙と汗って感じです。私は結局、まだ卒業してないんですけど(笑)。
――慶應の経済学部に入学されて、その年には退学されたんですよね。

