“大食いYouTuber”として不動の人気を得ていた木下ゆうかが、2024年8月、双極性障害を患っていることを公表した。順風満帆に見えた彼女に何があったのか?(全4回の3回目/#1#2#4を読む)

撮影 山元茂樹/文藝春秋

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仕事がうまくいっても気分が落ち込むことがあった

――大食いYouTuberとして活躍が続くなか、2024年8月に双極性障害を患っていると公表されました。まず、病院で受診しようと思った経緯を教えて下さい。

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木下 はじめは燃え尽き症候群というか、気持ちが落ち込むことが続いたので自分は鬱なのかなぁと思いながら過ごしていたんです。でもだんだん症状がひどくなってきたので病院に行くと、鬱だと診断されました。

――はじめは双極性障害ではなく鬱と診断されたんですね。薬は効きましたか?

木下 全然効かなかったですね。病院以外にもカウンセリングに通ったり、占いとか、スピリチュアルなど、「あなたが喋っている時にパワーを入れます」みたいな話も聞きに行ったり、いろいろやってみたんですけど全く解決しなくて。自分でも鬱の人はどうすればいいか調べてみて、「運動すればいい」「日光を浴びればいい」とあったので、朝、毎日神社まで歩いて家まで戻ってくることもしてみたんです。でも、元気なときは毎日実行できるんですが、鬱になると何もできなくなってしまって。

 

――はじめにご自身で鬱だと思ったのはいつくらいですか?

木下 う~ん、今考えると中学生くらいから鬱っぽかったなって感じはするんですけど。でも自覚し出したのは2014年にYouTubeをはじめて、結構人気が出た後です。それまでは、鬱っぽいと感じることがあっても、私は不幸だから気持ちが落ち込むんだ。両親が離婚して、家にお金がなくて経済的にも厳しいから気持ちがどんよりするんだって思い込んでいたんです。でもYouTubeが上手くいって、なんでこんなに幸せなのに気持ちが沈むんだろうと思ったときに、こういうのが鬱なのかって思いました。

 その後、病院を受診すると鬱と診断されて。はじめは3カ月くらい鬱になって、また元気になって。そこからまた鬱になって元気になってと繰り返すんですけど、だんだん鬱の期間が伸びていくんです。半年くらい鬱の期間を過ごして、また元気になってと繰り返していきましたが、再度、自分が元気なときに自分の症状を調べてみると、双極性障害という言葉を知りました。双極性障害は鬱病の100人に1人くらい発症するらしいんですが、双極性障害自体珍しいのか、発見されにくいみたいなことが書いてあったんです。これ、自分のことじゃないか? と思って、その後、再度病院に行って自分の症状について話をすると、そこで初めて「双極性障害」と診断名がつきました。