木下 私は今40歳なので、あれから13年経ちますが、いまだに立ち直れていないですね。思い出すと後悔しかなくて。母が亡くなった直後は何が起きたかわからなくて、悲しいという感情すらわかなかったんです。でも、時間と共に実感してから、ずっと後悔しかないです。今も思い出すと辛くて悲しくて、嫌な思いしかないのに消化できてないから、普段は思い出さないようにしているんですけど、それでもふっと思い出すことがあって。今は思い出しちゃいけない、泣いちゃいけないって自分に言い聞かせながら、いまだにどう向き合えばいいかよくわかってないですね。
なぜ双極性障害を公表することに決めたのか
――ほかのご兄妹、お兄さんと妹さんにはそうした兆候は感じましたか?
木下 ないです。あ、でも妹はちょっとあるけど、私のように波がある感じでもなく、内気っていうのかな。
――食事の影響はあると思いますか?
木下 ハッキリはわからないですけど、内臓に負担はかけているから、もしかしたらあるかもなって自分では思ってますけど。メンタルが疲れちゃったりとか。でもハッキリはわからないです。
――2024年8月に双極性障害を公表されました。
木下 2024年1月以降、7カ月もYouTubeの更新が止まっていたので、理由をみんなに伝えた方がいいかと思ったんですね。あと、自分はずっと鬱だと思っていたけど、鬱と診断がついて4年経ってから双極性障害だとわかったことで、何かの情報や知識として誰か、少しでも知ってもらえたらいいなって。あとは、メンタル系で悩んでる人の励ましになればいいなっていう気持ちですね。
――公表することに勇気や決意といったものはありましたか?
木下 とくに決断とか勇気とかそういったこともなかったですね。自分がYouTuberとして発信するからには、自分の日常やプライベートで何か起きたら、どんどん言っていこうとは思っているんです。それすらもネタじゃないですけど、何かお知らせできることがあれば言っていこうという。双極性障害を公表することも全然抵抗がなかったし。
――公表されて、反響はいかがでしたか?
木下 7カ月ぶりの投稿でホッとしたっていう人が多かったです。あと、ご家族でメンタルを病んでいる人がいて、家族に対して向き合い方を改めたとか、後悔を感じている人や、参考になった、自分だけじゃないんだって前を向くようなコメントが多かったですね。
撮影=山元茂樹/文藝春秋

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。