斎藤 そうですね。顔がきれいとかスタイルがいいとか、何か長所があればそれがきっかけで仕事が来ますよね。でも、私はスタートした年齢も遅かったですし、そういう特徴がなかったので本当に苦労したんです。そういう身体的要素で、頑張っても道が閉ざされる人を少しでも減らしたいな、と。
私のサイバーアイテムをつけたら、どんな人でもある程度カッコよくなれる。特徴がないんだったら、“外付け”すればいいじゃん、と。その外付けするものは私が作るから、どんな人でも自信を持っておいでよ、とやっています。
憧れの特撮ヒーローは「仮面ライダーアギト」のG3
──「身体的要素で頑張っても道が閉ざされる人を減らしたい」というお考えは、どのように生まれたんですか?
斎藤 今の世の中「こういうイベントは、こういう見た目の人じゃないと受からない」というテンプレートがあるんですよ。格闘技のラウンドガールとか、レースクイーンを例に考えると分かりやすいですよね。
ただ私が機械系の展示会でモデルができたのって、見た目じゃなくてコンセプトが受けたんですよ。この体験はシェアしないとダメだなって。
私、『仮面ライダーアギト』に出てくる「G3」というライダーが一番好きなんですけど、アギトに出てくる仮面ライダーは、みんな神様から力を与えられているんですが、G3だけは警視庁が作った人工ライダーなんですよ。
普通の人がスーツを装着して、一緒に戦う。最初は弱くてボコボコにされるけど、改良を重ねて、最後にすごく活躍するんです。
私はそこに感銘を受けているところがありますね。生まれ持った素質はそこまできれいじゃなくても、パーツをつけることで売れっ子モデルさんと肩を並べられる、という。
──素敵ですね。
斎藤 今私のYouTubeで全国のサイバーな人や建物を取材して「#ジャパニーズサイバーカルチャー」としてアップしているんですよ。それも「自分が目立ちたい」というところから、「人を紹介したい」と“脱皮”した感じです。
コスプレをしていて思うのは「やってみたいけど自分はオバさんだし」「田舎に住んでるし」と言い訳される方がすごく多い。でも、私のYouTubeでは、40代以上も、地方在住の方も紹介しています。どこにいても、何歳からでも始められるよ、ということを伝えていきたいですね。
──これから目標を教えてください。
斎藤 2つあって、1つは仮面ライダーか戦隊ものに出演したいです。『ドンブラザーズ』39話に、私が作ったタトゥーシールが使われたことはあるんです。自分の作品が映るという意味で夢は半分叶っているんですけど、次は私自身が出たいな、と。
──どんな役がやってみたいですか。