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斎藤 できれば戦隊ものの、途中から合流する“6人目ポジション”が良いですね。

 ちょっと闇を抱えて、途中から正義に目覚める、みたいな。できれば変身もしたいです(笑)。贅沢かな。

──もう1つは?

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斎藤 もう1つは母校の高校で講演したいです。私、発達障害があるんですが、私のように得意不得意に偏りがある子は成績に結びつきにくくて、偏差値の低い学校に行く人もいるんです。たまたま特性が偏っているだけなのに、万引きしたりカツアゲしたりする子と同類に見られてしまう。

 でもそこで、卒業生に特撮ヒロインになった人がいるとなったらすごくないですか? 「この学校を出たってなんでもできるぜ」と、ステージの上で言ってあげたいなと。

──ご自身の発達障害というのは?

斎藤 広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)です。私の場合は文字情報と計算、あと空気を読むのが苦手。ただ立体物は得意で、映像で見たら「これはあれを切って貼ったらこの形になる」というのはすぐわかります。ゲームで言えば、ステータスが偏ってるキャラみたいな感じですね。

 あ、あと、やりたいこともう1ついいですか? コスプレイヤーの月島圭さんと、6年後に2人の年齢を足して100歳になるんです。2人で全身スーツ着て、バチバチにかっこいい写真を撮って「2人合わせて100歳」ってハッシュタグをつけてツイートしたいです(笑)。

コスプレは自分を守ってくれるアーマー

──楽しみです(笑)。最後に、コスプレをしているときの気持ちってどんな感じですか?

斎藤 私、普段生活していて、特に人を惹き付けるタイプではないんですよ。ただ、コスプレをしてると「サイボーグYukiさんだ!」と言ってもらえる。今生きている世界線とは別の、パラレルワールドの自分になっている感覚があります。特撮ヒーローも変身前は冴えないけど、変身すると「ライダーが来てくれた! もう大丈夫だ」みたいな。そんな感覚がちょっとあります。

©細田忠/文藝春秋

──無敵感、みたいな。

斎藤 そうですね。素顔で街を歩いているときに、嫌な言葉を浴びせられたりすると、どうしても気になっちゃうんですよ。でもコスプレしているときに同じことを言われても「でも私にはファンがいるし」と思える。

 私にとってコスプレは、ただの衣装やアクセサリーというよりも、自分をパワーアップさせてくれるアーマーですね。