「私は『あぁ、確かに私は早口になってしまう』とハッとしました。早朝のラジオでは、私の早口は“圧”が強すぎる。その日は意識的にゆっくり話すようにしたところ好評を得ました。安住さんはあっさりしているように見えて、後輩の教育に熱心な方なんですよ」
3年半で「朝ズバッ!」が終了すると、平日は夕方のニュース番組「Nスタ」、土曜は「報道特集」に出演。2014年8月、死者77人、負傷者4人を記録した広島市の土砂災害の現場にも足を運んだ。
「土砂災害の現場で出会った被災者の方は、今でも『お元気に過ごしていらっしゃるかな』と思いを馳せることもあります」
テレビから姿を消した理由
だが、こうした多忙な日々を送るなか、いつしか心身は悲鳴を上げていた。
「心身ともに臨界点を超えていたのかもしれませんね。でも、自分が疲弊しているとか、周囲には言えなかった。そういう素振りを見せることも失礼ではないかと思っていました」
2016年2月12日、彼女は心療内科で「適応障害」という診断を受けた。
診断書には、こんな記述がある。
〈業務の続行が困難な状態にあり、症状は当面持続する見込みである。症状の改善のためには、業務負担軽減、職場環境調整などの措置を講じる必要がある〉
「NEWS23」が夢だった
「当時、『NEWS23』のポスター撮りが迫っていました。でも、適応障害と分かった以上は、もう立ち止まるべきタイミングが来たのかなと。2月15日、アナウンス部の上司に対し、診断書を提示した上で『ごめんなさい。病気になってしまいました。番組をやることができません』と伝えました。
『NEWS23』を担当することが夢だった私にとっては苦渋の選択。そのために頑張ってきたのに……。あのときの葛藤は一生忘れません」