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猿渡 『アメリカン・フィクション』はステレオタイプを風刺的に描いたコメディで、アメリカの試写会場では爆笑の連続でした。
町山 『The Holdovers』は劇場公開時はあまり注目されなかったんですけど、年末に配信で観て感動した人がすごく多いです。1970年代が舞台だから、当時の35mmフィルムの粗さとか、あまりクリアじゃない音の感じとかを完全に再現していて、あの頃の映画が好きな人ならめちゃくちゃ泣けます。
メラニー となるとアカデミー会員が若返っていることを考えたら町山さんがおっしゃることに反応する層がどれだけいるのか気になりますね。
猿渡 舞台が70年代なだけでクリスマスに帰る家も家族もない人たちが心を繋げていく話だから、必ずしも若い人に分からない話ではないです。
メラニー なるほど。普遍的な話なんですね。
町山 こういう映画が最終的に強いです。『グリーンブック』(18年)しかり、『コーダ あいのうた』(21年)しかり。
『パスト ライブス』がここまで来るとは
猿渡 町山さん『コーダ』の作品賞受賞当てましたからね。でも、それなら『パスト ライブス』も入ってきますよね。
町山 猿渡さんは、あの映画どう思われました?