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「チャットレディって相手に触れないからこそ、女の子がどんな過程で気持ちよくなるか、エロくなるかのストーリーを売るんですよ。素人の子がだんだん目覚めてきて、潮吹きまでしちゃうみたいな。潮吹きとか映像映えするのはやっぱウケますよね。私も撮影前にめっちゃ水飲んで頑張ってました。

 チャットレディを始めてしばらくしたあと、いわゆる『夜職垢』を作りました。夜の仕事(夜職)をしている子が情報発信するアカウントです。仕事の話で共感したり、学べたり、他の夜職の子と交流していくなかで、別の業種もやってみたくなった。それでいまは歌舞伎町のデリヘルに在籍しています。近いうちにソープもチャレンジしようと思っています」

卒業後は官僚になりたい

 現役東大生と聞くと、受験勉強のストレスやエリートゆえの葛藤からこうした仕事に就いた、というストーリーを描きたくなる。だがマコは、「そんなんじゃないです」とあっけらかんと語る。

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「ウチ、両親はどっちも東大のザ・東大一家なんです。ただ、二人とも頭はいいけど変わり者で、けっこう自由に生きてきたタイプ。どんな業界でも最終的に結果を出せばいいという考え方だから、私のしていることにも口は出さない。私もこの業界に足を踏み入れたからにはちゃんと結果を出したいって思っている。まあさすがに、親に具体的に何をして稼いでいるかは内緒にしていますけどね」

 そんなマコは現在、大学で教育心理学を学んでいる。

「いまって、人がシステムを回すための代替可能な部品になっていると思うんです。どれだけ数字で結果を残したか、というところに存在価値が集約している。私自身が視聴者数や指名客の数で価値が決まる仕事をしてきたから、よくわかるんです。でも本当は、人は生きているだけで価値がある。それを伝えることができるのが教育だと思って、勉強しています。周りの夜職の子たちにも、いつか教えてあげられたらいいなと思っています」

 卒業後は官僚になりたいというマコ。彼女の将来が楽しみである。