当時4歳の次女に車の不凍液や向精神薬を飲ませ殺害したとして逮捕されていた細谷健一容疑者とその妻の志保容疑者。3月6日、警視庁は健一容疑者の姉の殺害に夫婦がかかわったとして殺人容疑で両容疑者を再逮捕した。
浅草で観光ホテルを経営し、マンション経営もしている資産家として地元では知られていたこの夫婦が、これまで幾度となくトラブルを起こしてきたことを「週刊文春」は報じてきた(#1、#2、#3、#4、#5、#6)。
懇々と説く児相職員に対し…
夫婦は亡くなった次女を含め3人の子供をもうけているが、すさんだ家庭環境のために児童相談所の介入を招いたことがある。
今回、「週刊文春」は児相と細谷夫妻の面談時の音声を夫妻の関係者から入手した。面談は2019年5月10日と16日、2度にわたり行われた。この時、細谷夫妻の3人の子供はすでに児相に保護されている。面談は、子供を夫妻の元に帰すことができるのかどうか見極めるために行われた。
面談の中ではこんなやりとりがあった。
児相職員が、細谷夫婦の間に離婚問題が持ち上がっていたことを尋ねると健一容疑者はすかさずこう応じた。
「正直、こういう(子供が児相に保護される)状況になるまで、ちょっと気持ちは冷めてた部分はあったと思います」
また、面談の中で終始口をつぐんでいた志保容疑者だったが、職員から「お母さんはどうですか」と発言を促されると、ようやく口を開きこう言った。
「お兄ちゃんお姉ちゃん、今まで頭はいいみたいなことを言われていて――」
だがこの日、志保容疑者の口からは後に手をかけることになる次女を慮る発言はついに出なかった。
そして子供を育てるにあたり、親は何をするべきか――懇々と説く児相職員に対し、健一と志保が放った言葉とは。